超レア「電子支援訓練機EC-1」が入間で初フライト、入間航空祭で見納めC-1最終号機がラストフライト
ブルーインパルスと並ぶ目玉になると思われるのが、入間航空祭オープニングフライトで初飛行が予定されている電子支援訓練機「EC-1」です。
EC-1は、電波妨害装置が搭載されており、C-1輸送機をベースに改造した、カモノハシのような機首を持つ迷彩塗装で、迫力ある外観が特徴的です。電波情報の収集・分析を基に、強力な妨害電波を発信することで、相手からの電子戦の攻撃から守る環境を疑似的に再現し、各地の部隊やレーダーサイトに対して訓練支援にあたるものと思われます。近年、有事の想定範囲は、従来の陸海空にとどまらず、宇宙、サイバー、電磁波といった横断的に防衛するのに合わせ、EC-1の任務も今後、重要性が高まることでしょう。
ただ、空自のHPにある装備の一覧を見ても、EC-1の記載は見当たらないことから、極めて機密性が高く、機体や任務の詳細は明らかにされていません。
入間基地には、空自唯一の電子作戦群電子戦隊が配置されていることから、EC-1が配備されているのは同基地の1機のみです。
2024年度は既に松島基地(宮城県東松島市・8月)および千歳基地(北海道千歳市・9月)それぞれの航空祭で地上展示が行われ、話題となりましたが、航空祭のフライトは、入間が初めてとなります。基地の担当者は「EC-1の機体のベースであるC-1輸送機が、老朽化で次々と退役しており、EC-1も近い将来の退役を視野に公開に踏み切りました」と、説明しています。
さらに2024年度の入間航空祭は終了時まで、目が離せません。航空祭で有終の美を飾るのは、C-1輸送機の最終号機のラストフライトです。
1970年代半ばから半世紀以上にわたり、国産の輸送機として活躍してきたC-1は機体の老朽化に伴い、順次退役が進んでいましたが、最終号機の入間でのラストフライトをもって、残すは数機に留まり、その役目を終えつつあります。
見納め近いC1、F15とF2は地上展示のみ
他にも、C-1、C-2輸送機の編隊飛行などが予定されています。C1は先述の通り、老朽化のためすべての機体の退役が迫っており、目にする数少ない機会となりそうです。
地上展示では、小松基地(石川県)に所属するF15 戦闘機や百里基地(茨城県小美玉市)所属のF-2 戦闘機、海上自衛隊の哨戒ヘリコプターSH-60Kなどを間近で見られるチャンスです。ただ、入間基地では、地元住民との協定で戦闘機が配備されていないため、戦闘機の飛行はありません。
つい、華やかな航空ショーに目が釘付けになりがちですが、日々、日本の領空を守るため過酷な訓練を重ね、高い志のもと責務を果たしている自衛隊員にも思いを馳せたいものです。
※プログラムの内容は、天候などで当日一部変更になる場合もあります。詳細は、公式HPでご確認ください。
文/中島幸恵、写真提供/航空自衛隊および航空自衛隊入間基地
■「入間航空祭」
【日時】2024年11月3日(日)9時~15時(開門9時)
【実施場所】「航空自衛隊 入間基地」埼玉県狭山市稲荷山2-3(※入間基地正門、稲荷山門、北門、狭山市役所前臨時門から出入可能)
【料金】入場無料
【交通】西武池袋線「稲荷山公園駅」から徒歩5分/西武池袋線「入間市駅」から徒歩15分(※駐車場がないため、徒歩や交通機関を利用する)
【問い合わせ先】「航空自衛隊入間基地」04-2953-6131(内線2317)
【公式HP】https://www.mod.go.jp/asdf/iruma/kouhou/public_airshow/index2024.html