開発コードネームが車名になったクルマ
117クーペと同じように世界的に見ても開発コードネームがそのまま車名になったケースは多くはない。国内外にどのようなクルマがあったのかを調べてみた。
■トヨタSAI(開発コードネームは”才”と”彩”からSAI)
■トヨタ86(開発コードネームはFT-86)
■ランチアラリー037(エンジンを開発したアバルトの開発コードネームがSE037)
■ヒュンダイTB(日本では韓国名のクリックがすでに商標登録されていたため開発コードのTB:THINK BASIC)
■ヒュンダイJM(日本では韓国名のツーソンの商標が取得できなかったため開発コードのJM:JOYFUL MOOVER)
走りの評価はイマイチ!?
話を117クーペに戻そう。1968年にデビューした117クーペのボディサイズは、全長4280×全幅1600×全高1320mmで1.6L、直4を搭載。このエンジンはいすゞ初のDOHCだった。1年後に1.8Lエンジンを追加するのだが、このエンジンは日本初の電子制御燃料噴射装置を装着したとして話題になった。トランスミッションはデビュー時に4MTで、後に5MT、3ATが追加された。
前述のとおり、プラットフォーム、パワートレーンなど基本コンポーネントをフローリアンと共用していたため、当時の雑誌などを見返しても117クーペの走りの評価はあまり高くない。しかし、高速巡行を得意とするグランドツーリング的な評価は高かったようだ。
新車価格は今の貨幣価値で1000万円オーバー
その一方で大人4人が快適に移動する快適性は考慮されていて、後席の両サイドには灰皿、リア用のヒーターダクトが用意されていてクーペながら後席の快適性をアピール。
そんな117クーペだが、ビックリするのがその価格。デビュー時の価格は172万円!! 117クーペの前年にデビューしたトヨタ2000GTの新車価格が238万円で今の貨幣価値で言えば2000万円クラスと言われているので、1000万円オーバーは確実だ。通常の2Lクラスのクーペの2倍程度の価格だったという。高価格となったのは、ハンドメイドだったことも大きく影響している。