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サンルーフはめんどうなタイプ!?

快適装備としてオーディオも充実。そしてGTOには脱着式ガラスサンルーフがオプション設定されていた。このあたりはアメリカンな感じ。車内のダイヤルを回すと、ガラスルーフの後端がせり上がるような形となる。このチルト状態で室内換気することもできる。そのダイヤルをさらに回すと、ルーフが外れ、外からルーフを取り外す。今考えると非常に面倒だし、ガラスが重いのでひとりで取り外すのは慣れが必要。ガラスルーフの収納場所はトランクだ。撮影用に三菱自動車からお借りした広報車両で取り外した時は、安全を考えて2人で外した。

しかしいざ開けてみると開口部が大きいので思いのほか解放感がある。クローズド状態にするには外すのと逆の手順になるが、面倒なことには変わりない。この面倒さが嫌で、いつの間にか外さなくなったという人が多いハズだ。

リアスポイラーも空力効果を追求して時代とともに変化。手前が初期モデル

まさに直線番長!!

では、GTOの走りはどうか? 速い!! 特に2500rpmで42.5kgmの強大なトルクを発揮するため、低速から中速にかけての加速感は強烈。高速域での加速の伸びはそれほどでもないが、高速クルージングは快適そのもの。直線番長という名がピッタリのキャラ。

コーナリングはやはり1700kgの車重が大きな足かせとなる。特にGTOはフロントヘビーだったためアンダーステア傾向が強い。それを4WDのトラクション性能を活かして、無理やりクルマを曲げる感じ。足回りも柔らかめだったのでロールも大きめなので、破綻はしないが、よほどの走り自慢じゃないかぎりドキッとするかも。

自慢の4WDによりどんな路面状況でも走破力は高いが、重いクルマは一度慣性力が付くとそれを収束させるのは至難の業。

中期のヘッドライトは丸2灯を埋め込んでいて超個性的な顔となる

重さが最大のネック

三菱が満を持して登場させたGTOだが、試乗した評論家の評価はお世辞にも高いと言えなかった。というよりも低かった。評論家が指摘していたのは下の4点。

■1700kgの車重はスポーツカーとして重すぎる
■ブレーキが弱い
■ステアリングレスポンスがよくない
■シフトフィールがイマイチ

メーターは180km/hまでだが、最高速は軽く250km/hをオーバー

素人同然の筆者が感じるくらいだから、プロの目はもっと厳しい。やはり、重かったというのが最大のネックになっている。重いからブレーキだってきつくなるし、ハンドリングのレスポンスだって悪くなる。

レースで勝つために誕生したGT-R、ピュアスポーツを目指したNSX、RX-7に対し、GTOはそもそもアメリカから、既存のものを使って快適なスポーツカーを作ってほしい、という要求に応えたもの。実際にプラットフォーム、パワートレーンなどはディアマンテのものを使っている。そもそもの成り立ちが違うのだから同列で比べること自体無理があるが、同時期に誕生した宿命で不可避だった。

『FFベースのスポーツカーはあり得ない』、『スポーツカーは後輪駆動に限る』、などといったスポーツカーの固定観念もGTOの評価が低くなった一因でもある。

レースに勝つために生まれたGT-Rとは素地が違うが、レースでも対抗
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市原 信幸
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