超重量級のスポーツカー
当時の日本では破格の大型スポーツカーとして登場したGTOだが、強烈だったのが車重で、トップグレードのツインターボは1700kg!! これはGT-R(1430kg)、フェアレディZツインターボ(1520kg)、NSX(1350kg)と比べても明らかに重量級で、NSXとは350kgの差!! スポーツカーは軽さが命と言われるが、驚くほど重かったのだ。
GTOが超重量級となったのは、4WDシステムが重かったことのほか、いろいろな装備が満載されていたのもその要因だ。
10年先を行っていた三菱の思考
GTOに搭載されたエンジンは、3L、V6ツインターボとそのNAの2種類。ツインターボは最高出力:280ps/6000rpm、最大トルク:42.5kgm/2500rpmというスペックを誇った。当時は280psのメーカー自主規制により技術的には可能でも280psを超えることができなかったが、その代わりにトルクを増やすというのに着目されていて、その先鞭をつけたのが三菱で、GTOは圧巻の42.5kgmをマーク。しかもその最大トルクをわずか2500rpmで発生するのが凄いところ。1990年代のエンジンは回してなんぼ、高回転の気持ちよさこそ最高!! という時代だった。その後パワー至上主義からトルク重視に変わっていくのだが、今になって考えれば、三菱のエンジンチューニングは10年先を行っていたということになる。
4WD+4WDで登場
GTOはオフロードではパジェロ、スポーツ4WDではギャランVR-4とスバルのお株を奪う”ヨンクの三菱”として名をはせていたが、GTOはツインターボ、NAとも4WDを採用して登場。
三菱が4WDを採用したのは、誰もが安心・安全にハイパワースポーツを楽しめる、というコンセプトとしていたからだ。
その4WDには後輪をステアする四輪操舵(4WS)が組み合わされていた。この4WDは低速での逆位相はなく、50km/h以上で前輪と同じ同位相にリアタイヤがステアするタイプで、高速道路のレーンチェンジなどをスムーズにするために装着されていた。コーナリング時の回頭性をよくする、快適なクルージングのためといった意味合いが大きい。