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中学から高校のころ、夏ガキといって、5月になると地元の水産加工屋さんからむき身の注文があったのを思い出します。このころ、もっとも身が太っているので、一度煮て、むしろにならべて乾かすのです。煮汁は煮詰めてオイスターソースに加工されます。

気仙沼はサメの水揚げが日本一で、フカヒレの産地として有名です。隣の岩手県は、日本一のアワビの産地です。このあたりのアワビは干しアワビになります。中華料理に使う干物の産地として、江戸時代から続く歴史があります。

1月末、中国は旧正月の春節です。タイトルの「ホウシーファッチョイ」は旧正月のごちそうの名前です。

「ホウシー」は干しガキを意味します。「ファッチョイ」は黒い髪の毛のような中華食材のことです。料理の名前が、商売繁盛を意味する「好市発財(ホウシーファッチョイ)」と似た発音なので、縁起物として旧正月に食べられるのです。

しばらく前ですが、友人と神奈川・横浜の中華街を訪れたことがあります。何回も練習して「ホウシーファッチョイ」と注文しました。プーンと乾物の匂いがします。カキを取り囲むようにファッチョイがからまっています。かたくり粉でとろみがついています。ファッチョイに味がしみて、そのおいしいこと。

ホウシーはおいしいだけでなく、漢方薬にもなっているそうです。娘が結婚するとき、広東地方のお母さんは嫁入り道具の中にホウシーを持たせてあげたそうです。

…つづく「やっぱり日本人は凄かった…カキじいさんが、中国「カキの村」で漏らした「感動の一言」」では、カキじいさんが中国の深センに渡った2005年の話にさかのぼります。

連載カキじいさん、世界へ行く!第13回
構成/高木香織

●プロフィール
畠山重篤(はたけやま・しげあつ)

1943年、中国・上海生まれ。宮城県でカキ・ホタテの養殖業を営む。「牡蠣の森を慕う会」代表。1989年より「海は森の恋人」を合い言葉に植林活動を続ける。一方、子どもたちを海に招き、体験学習を行っている。『漁師さんの森づくり』(講談社)で小学館児童出版文化賞・産経児童出版文化賞JR賞、『日本〈汽水〉紀行』(文藝春秋)で日本エッセイスト・クラブ賞、『鉄は魔法つかい:命と地球をはぐくむ「鉄」物語』(小学館)で産経児童出版文化賞産経新聞社賞を受賞。その他の著書に『森は海の恋人』(北斗出版)、『リアスの海辺から』『牡蠣礼讃』(ともに文藝春秋)などがある。

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高木 香織
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