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カキが旨い季節である。ジューシーなカキフライ、セリがたっぷり入ったカキ鍋、炊きたてのカキご飯。茹でたカキに甘味噌をつけて焼くカキ田楽もオツだ。カキ漁師は、海で採れたてのカキの殻からナイフで身を剥いて、海で洗ってそのまま生で食べるのが好みだという。

そんなカキ漁師の旅の本が出版された。カキじいさん、世界へ行く!には、三陸の気仙沼湾のカキ養殖業・畠山重篤さんの海外遍歴が記されている。

「カキをもっと知りたい!」と願う畠山さんは不思議な縁に引き寄せられるように海外へ出かけていく。フランス、スペイン、アメリカ、中国、オーストラリア、ロシア……。世界中の国々がこんなにもカキに魅せられていることに驚く。そして、それぞれの国のカキの食べ方も垂涎だ。

これからあなたをカキの世界へ誘おう。連載13回「じつは「商売繁盛」の縁起モノ…中国、旧正月のごちそう《ホウシーファッチョイ》とは一体なにか?」にひきつづき、中国広東省深センの「カキの村」を訪ねる旅。どんな胸躍る出会いがあるのだろうか。

カキ養殖場で栄えた「カキの村」

2005年ごろのことです。中国・深センで会社を経営する友人から、「君向きの話があるから一度来てみないか」という、誘いの電話がありました。「君向き」とは、もちろん「カキについての情報がある」ということです。

さっそく、地図を広げてみると、深センは香港の東側に広がる、珠江という川の河口の大汽水域に面しています。西江、北江、東江という大きな川が珠江に注いでいます。はるか上流は、水墨画に描いたような景観が美しい桂林です。森と川と海が連なる「森は海の恋人」の世界です。がまんできず、まず香港に飛びました。

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新昌さんの養殖法は中国でも...
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高木 香織
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