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深センはどこに行っても開発に次ぐ開発で、大きな工場が建ち並んでいました。通訳の方と車を借りると、海辺に出かけました。郊外に出ますと「カキの村」と意味する立て札があちこちに立っています。通訳の方に聞くと、

昔このあたりは、カキの養殖場でした。『沙井鎮の干しガキ』といえば有名ですよ。帰りにお土産にどうぞ」

と言うのです。海が見えました。珠江口です。沙井鎮は、深セン市のなかでも珠江口に入り込んだようなところにある町です。

カキの養殖場を見学したいのですが」

と聞いてみました。

新昌さんの養殖法は中国でも

やがて大きな池が並んでいるのが見えました。通訳の方と知り合いらしいのです。池の土手の細い道を急ぐと、私の顔によく似た男性が、ニコニコ笑って出迎えてくれました。小舟に乗せてもらって池に出ました。くいが同じ幅に打たれていて、その上に竹が渡されていました。その竹にロープでカキがつり下げてあるのです。

引き上げてもらうと、ロープの先の長さ1メートルほどの木の棒に、びっしりカキが付いています。殻にギザギザのない丸っぽいカキです。5月ごろ、「雪条」というコンクリートを塗った木の棒を浅瀬に差して、稚貝を付着させて3年ほど育て、最後の仕上げに池で太らせるのだそうです。

「広州(深センの北側の都市)には何種類かの形の違うカキがありますが、もっとも多いのは青島ガキと呼ばれるものです。身は白肉と赤肉がありますが、白肉は色味、質とも上等で、沙井鎮はもちろん白肉です」
と胸を張りました。

カキの養殖場の持ち主は、彭波さんという方でした。漢字の名刺を渡すと、とても喜んでくれました。わたしたちは、カキ兄弟ですね、と手をにぎりあいました。日本人のカキ生産者が訪ねて来たのは初めてだったそうです。

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彭波さんは珠江口に何か所か養殖場を持っていますが、この場所が...
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高木 香織
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