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初代エクストレイルはゴーン体制になった直後に登場

そのゴーン氏が日産に来てからいろいろなクルマが登場。しかしクルマというのは開発に短くても3~4年、長ければもっとかかるので、それらはすべて旧体制下で開発が進められたモデルだ。そのうちの一台が2000年10月にデビューした初代エクストレイル。

初代エクストレイルはゴーン氏登場時にはすべて開発が終わっているような状況だったため、そのまま発売

初代エクストレイルはゴーン体制下ではないと生まれていないクルマと言われているが、これはウソ。フェアレディZ(Z33)は開発が凍結されていながらも、ゴーン氏の鶴の一声で開発が再開始、晴れてデビューしたクルマの代表だが、そのほかのモデルに関しては意外なほど車種リストラはやっていない。つまりどんな体制下であろうと初代エクストレイルはこの世に登場していたのだ。ゴーンがいたから登場したのは2代目のほうだ。

2代目エクストレイルは100%ゴーン体制下で開発された

SUVに立ち後れていた日産

日本では1990年代初頭のクロカンブーム、ステーションワゴンブーム、乗用タイプミニバンブーム、BOXタイプミニバンブームなどなどクルマ界にはいろいろなブームが訪れたが、1997年にデビューした初代トヨタハリアーによって勃発したのがSUVブーム。各メーカーからいろいろなモデルが登場。なかでもトヨタはポストセダンとしてSUVを充実させていたし、ホンダもCR-Vを刷新するなどしていたなか、日産は大きく立ち後れていた。日産はこれまでいろいろなカテゴリー、技術で日本初、世界初などを謳歌していたが、SUVに関しては完全に後発となってしまった。

高級感を身にまとった初代ハリアーがSUVブームの火付け役だったが、日産は大きく出遅れた

トレンドと逆行

SUVブームのパイオニアである初代ハリアーをはじめ、スタイリッシュ、高級感、乗用車的な雰囲気などが当時のトレンドとなっていたなか、待望の日産のブランニューSUVの初代エクストレイルは、そのトレンドとは真逆、武骨なデザイン、土の香りが漂う雰囲気、タフさなどを前面に打ち出していたためさせるちょっと異質にも映った。

ボクシーで武骨なデザインはトレンドとは逆行していたが、それが新鮮でもあった

エクステリアデザインに関しては、クルマ雑誌『ベストカー』の連載でテリー伊藤氏が、「デザインしていないのがデザイン」という明言を誕生させたが、まさにいい得て妙。お世辞にもカッコよくないし、凝ってもいないデザインなのだが、不思議とハマった。

今でこそギア感を強調したモデルは登場しているが、初代エクストレイルはその先鞭をつけたモデルと言っていい。

タフさをいろいろな方法でアピールしたのが初代エクストレイルの凄いところ
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市原 信幸
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