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若者がターゲット

初代エクストレイルは一にも二にも若者。若者をターゲットとした日産のブランニューSUVなのだ。ここまでターゲットを明確にして邁進した日産車も珍しい。そもそもエクストレイル(X-TRAIL)という車名だが、「X」はX-trem(=extreme)sports(スノーボード、スケートボードなど、若者に人気のスポーツ競技のこと。「TRAIL」は、足跡、オフロード、荒れた道などの意味で、「X-TRAIL」は、その2つの言葉をかけ合わせた、4×4のイメージとしての造語。

エクストリームスポーツは、ファッション、音楽などへも大きな影響力を持つ。後追いするのではなく、時代の流れを察知してそれを実践する日産の目の付けどころは素晴らしかった。瞬く間にエクストレイルが若者の人気モデルとなったのは言うまでもない。

オフロードを走ってもオールモード4×4により高い走破性を持っていた

イメージ戦略が大成功

初代エクストレイルのTV CMなどでもエクストリームスポーツをアピールしたり、ウインタースポーツ、マリンスポーツなどを楽しむ若者にフィーチャーしていたが、イベント系にも力を注いでいた。それが『X-TRAIL JAM(エクストレイル・ジャム)』だ。初代エクストレイルがデビューした翌年の2001年から東京ドームで開催された世界最大級の屋内スノーボードイベントで、スノーボードセッションの間ではアーチストによるライブも開催され若者から大人気。エクストレイルの知名度をアップさせるのに大きく貢献。クルマ関連スポンサーのエクストリームスポーツとしては、『TOYOTA BIG AIR』(1997~2014年・札幌)と並ぶビッグイベントに成長していたが、『X-TRAIL JAM』は2008年をもって終了してしまったのはもったいなかった。

若者にはイメージ戦略が非常に重要であることを初代エクストレイルが教えてくれた

とにかく運転しやすい

若者の心をガッチリつかんだことには、全長4445×全幅1765×全高1675mmという大きすぎず扱いやすいサイズで登場したことは見逃せない。若者はわがままで、扱いやすいが安っぽいのはNGなのだが、その点でも新型エクストレイルは条件を満たしていた。さらに安かった!! これは重要。

室内もタフさそのもので、撥水素材をいち早く採用

あと、武骨でスクエアなエクステリアデザイン。当時のクルマは前後を絞ったクルマが多かったなか、ボディの四隅が掴みやすく運転しやすかったのもポイントだ。

インテリア、特にシートはいち早く撥水素材を採用し、ウォッシャブルでタフさを売りとしていたのもよかった。

運転のしやすさが初代エクストレイルの大きな魅力

エンジンは2L、直列4気筒DOHCを搭載し、動力性能的にもまったく不満なし。

4WDはオールモード4×4を採用。スカイラインGT-R(R32)で登場したアテーサE-TSをベースに横Gセンサーを省略したシステムながら、高い走破性を誇り、エクストリームスポーツをアピールするに充分なポテンシャルを備えていた。

ガンガン走りたい人にはちゃんと応えてくれる、そんな安心感が初代エクストレイルにはあった
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武骨ながら細部へのこだわり...
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市原 信幸
市原 信幸

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