武骨ながら細部へのこだわり
クルマ好き、特に走り屋に分類される人たちは、サンルーフが嫌いだ。なぜか? それはボディ剛性が落ちるから。しかし、快適性を重視するSUVではサンルーフの人気は高い。初代エクストレイルがサンルーフが自慢の一品で、開口部面積はライバルとなるトヨタRAV4の約2倍を誇った。
細かいところでは、サイドシルをドアで覆うドア一体型のシルプロテクターを採用することにより乗降性をよくすると同時に、足元が汚れるのを防ぐなど配慮されていた。
そして初代エクストレイルの真骨頂と言えば、量産国産車で初めて樹脂ファンダーを採用したことにある。この樹脂フェンダーは軽い接触などで凹んでも元に戻るようになっているため、気兼ねなくオフロードも走ることができる。竹平素信氏と試乗会に行った時に、エンジニアからフェンダーを蹴ってみてくださいと言われて恐る恐る蹴ってへっちゃらだったのを思い出した。この樹脂フェンダーはサターンなども採用していたが、その後あまり採用例がないのはなぜなのか不思議。筆者としてはもっと普及してほしいと思っている。
ニーズを的確に商品化
日産は2001年に『もっと速いエクストレイルが欲しい』というニーズに応えて、280psの2Lターボエンジンを新規搭載。こいつは強烈に速かった!!
初代エクストレイルは、オーテックジャパン(現日産モータースポーツ&カスタマイズ)のstyle-AXにデビュー時に特別仕様車として販売されていたが、強烈に個性的なフロントマスクが与えられていた。ただ筆者自身、街中で一度も見かけたことはないと思う。そのほかオーテックライダーも設定されるなど、いろいろなニーズに合わせていた。
画期的な塗装に仰天!!
日産は2005年に特別仕様車の『スクラッチガードコートエディション』を販売開始。スクラッチガードコートとは、浅いキズ、ヘアスクラッチなどが自然に回復するというクリアを採用していて世界初の技術。実際に試乗会でブッシュをエクストレイルで走りまくり、足草などでフェンダーにキズが付いても自動修復してビックリ。タフさをセールスポイントとしている初代エクストレイルにはあの手この手が施されていて感心する。
このスクラッチガードコートは現在ではスクラッチシールドに進化して、多くの日産車に採用されている。