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酒肴からバゲットまで…応用範囲が広い「ちりめん山椒」

それにしても、なぜ「ちりめんじゃこ」なのか?

カタクチイワシなど、イワシの稚魚を浜ゆでし、天日干しすると、小魚は「くの字」形になります。そんな「雑魚」(じゃこ)をセイロ(網状の干し板)に広げて天日干しする様子が、でこぼこのある生地「縮緬(ちりめん)」のように見えるからとの説があり、「ちりめんじゃこ」と呼ばれているようです。

漁期は春と秋で静岡県沿岸、愛知県沿岸、瀬戸内海産などのものが特に有名ですが、オイラの好みは小ぶりな鹿児島や宮崎産のものですね。カタクチイワシの稚魚は、南の海から北上しながら成長していくからです。

関西では、「じゃこを炊く」という言葉までありますが、実際、オイラも月に1回はちりめんじゃこを実山椒とともに炊いているのです。ただし、一般的なちりめん山椒のような、佃煮ふうの甘辛い味付けにはしていません。薄味のだしで煮含めるように炊き、実山椒と合わせるような作り方です。

砂糖はまったく使わないので甘くなく、酒のつまみとしても絶品となります。もちろん、ご飯の友にもなりますし、そうめん、温泉卵、さらにはパンや、バゲットにのせてもおいしいのです。そうなんです。我が家の食卓では、あらゆる場面に登場してくるのです。まさに「ちりめん山椒依存症」といった状態です。

長期間の保存を考えなければ、薄味でこそ、ちりめん山椒の魅力が際立ちます。甘辛い京都のお土産とは別物の、滋味深くも山椒の香りが鮮烈なちりめん山椒が作れるのです。

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文・写真/沢田浩

さわだ・ひろし。書籍編集者。1955年、福岡県に生まれる。学習院大学卒業後、1979年に主婦と生活社入社。「週刊女性」時代の十数年間は、皇室担当として従事し、皇太子妃候補としての小和田雅子さんの存在をスクープ。1999年より、セブン&アイ出版に転じ、生活情報誌「saita」編集長を経て、書籍編集者に。2018年2月、常務執行役員パブリッシング事業部長を最後に退社。

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