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驚きの実食結果。現代のフリーズドライは味も優秀!

予想そのままといったフリーズドライの塊。非常に軽く、脆いので、容器に入っているのがありがたい。

まずは『まるごと貝柱雑炊』(6食税込1425円)を実食してみた。

開封すると、『ふ菓子』のような本体がケースに入って現れる。さわるだけでポロポロと崩れるほど頼りない固形物だ。きわめて軽くて、菓子にしても貧弱な印象だ。

包装の中で崩れた破片も含めて大きめのマグカップに放り込んで、湯を注ぐ。指定量は180ml。入れるそばから雑炊のもとが湯を吸って、みるみる解れてゆく。待つほどもなく、入れ終わったらスプーンでかきまぜればできあがりだ。特記することがなにもない。

だが、スープをひとくち啜って驚いた。出汁がしっかり利いていて美味い。これなら保存食と思わずに食べられる。そして、食べ応えがある。舌の上の存在感がしっかりしていて、フリーズドライの頼りない印象とは別物だ。

味のハイライトは「まるごと貝柱」の存在だ。奥歯でゆっくりと噛みしめると、旨味がじわっと滲み出てくる。噛み心地も絶妙。乾燥貝柱を戻したかのような充実した食感と分厚い旨味だ。いや、フリーズドライなのだから「乾燥貝柱を湯で戻した」に相違ないのだが、この完成度は素晴らしい。

『まるごと貝柱雑炊』(6食税込1425円)は、湯を注いだそばから解れてゆく。あっという間に調理完了だ。
出汁がしっかりしていて食べごたえがある。貝柱の旨さは特筆ものだ。

次は『野菜スムージーで煮込んだ野菜と鶏肉のカレー』(4食税込1425円) 。湯の指定量は150mlだが、今回は湯量を増やしてそのまま飲んでみた。

案の定、白米なしでこのまま飲んでも美味い。湯を入れた瞬間からカレーの香りが立ち上り、軽くかきまぜると、とろみのあるカレースープといった風情だ。こくがあって美味い。辛さひかえめのカレーの刺激で体が温まる。

『野菜スムージーで煮込んだ野菜と鶏肉のカレー』 (4食税込1425円)。湯量を多めにしてカレースープにしても美味い。

『とろっと卵の親子煮』(4食税込1339円) は、親子丼の具にすることが前提の製品だ。指定の湯量も100ccと少ない。

とろみが強く、ダシの味がとても濃い。ごはんが進む濃い味で、どんぶり一杯は無理だろうが、茶碗一杯のごはんを親子丼にするには充分な役に立つ。鶏肉の食感がいいのは驚きで、肉を噛み締める快感が得られる。

『とろっと卵の親子煮』(4食税込1339円) 。指定された湯量は100ccと少ない。ごはんが進む濃厚な味。

どれも予想を上回る美味で「軽量で長持ちする保存食」という領域を完全に超えている。日頃の軽食として開発された商品なのだから当然なのだが、それにしても旨い。小腹を満たす夜食として常用できる。湯を入れてすぐに食べられる。

特に驚いたのは、食感が再現できていることだ。具材の多くが食物の感触をすばやく取り戻し、きちんとした食事をした満足感が得られる。

保存食として評価するなら、もはや期限を気にする必要がなくなるのが魅力だ。「日常の軽食として消費したぶんを忘れずに補充しておく」という意識で付き合える。これは防災用品として大きなメリットだろう。

使う湯は熱いほどいい。あつあつをフーフー言いながら啜るだけで、肩の力が抜けるような喜びが体の芯から湧いてくる。『防災用品点検の日』を機会に、一度お試しいただきたい出来栄えだ。

アマノフーズの【防災士監修】『1人あたり約200g(2日分相当)の防災バッグ向け詰め合わせ 2人分』は、直販サイトで税込5282円だ。

文・写真/深澤紳一(ふかさわ しんいち):PCゲーム雑誌から文芸誌、サブカルチャー誌まで幅広い寄稿歴をもつライター。レーシングスクールインストラクターなども務めつつ、飼犬のために日々働く愛犬家。

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深澤 紳一
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