全国のラーメンの名店が出店する「新横浜ラーメン博物館」(ラー博)は、年間80万人以上もの客が訪れる“ラーメンの聖地”です。横浜市の新横浜駅前にオープン後、2024年3月に30年の節目を迎えましたが、これまでに招致したラーメン店は50店以上、延べ入館者数は3000万人を超えます。岩岡洋志館長が、それら名店の「ラーメンと人が織りなす物語」を紡ぎました。それが、新刊『ラー博30年 新横浜ラーメン博物館 あの伝説のラーメン店53』(講談社ビーシー/講談社)です。収録の中から、ミシュランガイドにも掲載された福井県敦賀市の「中華そば 一力」を紹介します。
屋台からスタートした、ミュシュランガイド掲載店
「ラー博にぜひ、あの店を出店してほしい!」そんなリクエストを多くのお客さまからいただきます。そのなかでも、福井県敦賀市の「中華そば 一力」は多くのリクエストをいただき、私も食べに行きました。2005年3月のことでした。まず驚いたのは、お客さまの多さです。訪ねたのは、平日の昼のピークを過ぎた時間帯でしたが、まだ行列があり、その後もひっきりなしにお客さまが訪れていました。そして、アポイントは入れていなかったのですが、その場で取材の申し入れをしたところ、温かく迎え入れていただきました。それから3年後、ラー博で実施した“ふるさとラーメン”企画の第1弾の店としてご出店いただきました。屋台からスタートし、ミシュランガイドに掲載されるまでの過程をぜひご覧ください。
【「中華そば 一力」過去のラー博出店期間】
・ラー博初出店:2008年5月18日~2009年2月28日
・「あの銘店をもう一度」出店:2022年9月2日~2022年9月22日
北陸新幹線の開業でますます脚光を
その頃、ラー博の社内でも、「敦賀」を、「つるが」と正確に読める人は少なかったかもしれません。そんな敦賀について少し解説させていただきます。福井県の中央に位置し、北に敦賀湾口を開いて日本海に面し、他の三方は山岳が連なり、敦賀湾と平野部を囲んでいます。“日本三大松原”の一つに数えられる「気比の松原」は、敦賀湾の最奥部に位置し、海との素晴らしい景観を織り成しています。2024年3月には、北陸新幹線が金沢から敦賀まで延伸して、脚光を浴びております。