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「縁結び」で有名な出雲大社からちょっと車で出かければ、魅力的な温泉がいくつもある。今回ご紹介するのはマイナーながら、最強の泉質とおもてなしで出迎えてくれる一軒宿。美しく設えられた高級宿が好きな人にはおすすめしないが、「泉質こそ命」の温泉ラバーな皆さんなら、この温泉が作り出す独特な造形美に嘆息することだろう。少し足を延ばして、訪ねてみてほしい。

※トップ画像は、出雲大社「神楽殿」(島根県観光写真ギャラリーより)

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「二礼四拍手一礼」、有名な「大しめ縄」

出雲大社といえば、言わずもがなの縁結びの神様。人との出会いも、仕事との出会いも、良縁なきところに発展なし。兎にも角にも、何度でも行きたいパワースポットである。

出雲大社「御本殿」。 「大社造り」といわれる神社建築で建てられた(島根県観光写真ギャラリーより)

出雲大社あるあるといえば、他の神社の参拝ルールとは違う、「二礼四拍手一礼」。そして、有名な「大しめ縄」は長さ13.6メートル、重さ5.2トンで日本最大級。大しめ縄は本殿ではなく、神楽殿のものだったことを、行ってから知る人も多いかもしれない。その大きさに驚き、みなこぞって、カメラを向ける。

出雲大社「神楽殿」の日本最大級の「大しめ縄」(島根県観光写真ギャラリーより)

あるとき、1年のうちに何度も出雲大社に行くことがあって、「今年は出雲大社に呼ばれている」と感じて、神社のブレスレットを身につけることにした。その時におわけいただいた出雲大社のブレスレットのゴムが、数年後、切れてしまった。単純に経年劣化するとゴムは切れるわけだが、縁起物なので、「身代わりになってくれた」とか、「切れたものは持たない方がいい」と言う人もいるだろう。

「神社にお返しした方がいいのか?」と迷ったが、気に入っているのでゴムを替えて復活させることにした。シリコンゴムの方が耐久性が高く、透明で見栄えはいいが、100円ショップで手軽に手に入るオペロンゴムで修復した。

出雲大社のブレスレット

ありがたいことに、玉は一つも無くなっていない。ブレスレットを構成する白・赤・緑の色は出雲国造(今は宮司)の代替わりのときに奉納される「美保岐玉(みほぎだま)」に由来する。

白めのうは、髪が真っ白になるまで、長寿に。
赤めのうは、血色よく、健康で壮健に過ごせるように。
青めのうは、みずみずしく若返り、よみがえる。

そんな願いが込められているそうだ。緑色に見えるけれど、この地で採掘される青めのうは、深い碧色をしている。

「神在月」は八百万の神様が出雲に集う

出雲大社の御祭神は、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)=だいこくさま。大国主大神は天照大御神に国譲りをするときに、天照大御神は目に見える世界を、大国主大神が目に見えない神々や心の世界を治める約束を交わしたことから、出雲大社は心のことを司るということで、「縁結びの神様」と言われるようになったらしい。

神様たちが縁結びの会議をしている「出雲国大社八百万神達縁結給図」(歌川豊国、『大日本歴史錦繪』、 国立国会図書館デジタルコレクションより)

江戸時代の古書に、だいこくさまと八百万の神々が縁結びの会議をしている様子が描かれた絵が残っている。旧暦の月には和風の呼び名があり、10月は「神無月」(かんなづき)。これには、八百万の神々が出雲に集まり、他の地域では神が不在になることが由来しているという説がある。このため、出雲地方では「神在月」(かみありづき)と呼ぶ。ちなみに2025年の神在月は11月30日から12月6日。この期間に、さまざまな神事が行われるので、時期をあわせて訪ねてみるのもいいだろう。

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野添 ちかこ
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野添 ちかこ

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