『Mr. CHEESECAKE』が一躍人気になった理由とは?
田村シェフが『Mr. CHEESECAKE』を立ち上げたとき、商品を販売しながら、スーパーなど日常的に手に入る食材を使った料理のアイデアやレシピを発信していた。シェフがSNSでレシピを公開するということはまだ珍しく、じわじわ口コミで広まっていったという。
ただそれだけでなく、今まで食べたことのないチーズケーキだったのだ。いったい何が違っていたのだろうか。「フレンチレストランで培ったシェフならではの香りの重ね方や複雑な味わいをスイーツに取り込みました。当時はそういうスイーツが珍しかったからかもしれません」と話す広報の中村元美さん。
今後、田村シェフが企んでいるのは海外出店の拡大。「今までも香港で2回ポップアップを開催しまして、近々3回目も行う予定です。また、香港だけでなく、台湾やシンガポールなどの人たちにもお届けできたらと思っています」。
さらに、自分たちでしかできないことを模索しているという。
そのひとつが、スイーツと異業種とのコラボレーションだ。「イートインのある店舗ができたことで、コラボレーションの可能性が広がりました。一番やってみたいのが、アパレルとのコラボレーション。そのブランドがもっている世界観をデザートで表現し、アパレルのファンの人たちにも我々のデザートを体験してもらうことができる。また、座席が少ないからこそ、その体験に特別な価値観が加わるのではないかと考えています」
田村シェフのあっと驚く挑戦に期待
今回、デザートコースに登場している水羊羹を作って実感したというのが、和菓子の可能性。
「日本にとってかけがえのない和菓子をもう少し自分たちらしく作れたら面白いだろうと考えています。ひとつのデザートを商品化するのは大変ですが、この場所のひと皿だとカジュアルに挑戦しやすい。どら焼きでも何かできそうだし、いろんなことをやってみたいですね」。
ここから、まだ知られざる田村シェフの本領が発揮されるのかもしれない。
また、GINZA SIX店限定フレーバーとして、アマゾンバニラに少量の練乳を組み合わせた「Royal Vanilla」、ブレンデッドウイスキーに相性のいいバニラを組み合わせた「Whisky Aroma」が登場。
デザートコースの提供がない月~金曜日は単品での利用が可能。カウンターだからこそ、気になったことを質問できるのもうれしい。ご紹介したデザートコースにも、まだまだ秘密が隠されている。スタッフとの会話を楽しみながら、自分で発見する体験もここの醍醐味だ。
■『Mr. CHEESECAKE GINZA SIX店』
[住所]東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 地下2階
[営業時間]10時半~20時半(イートインスペースは20時LO)
※平日はカフェ利用のみ。デザートコースの提供は土・日のみ(デザートコース提供日は今後変更になる可能性があります)
[休み]無休(施設に準ずる)
[席数]カウンターあり、全6席
[交通]地下鉄銀座線ほか銀座駅A3出口から徒歩2分
要予約(11時、13時、14時半、16時半の1日4回)※カフェ利用は予約不可/カード可
https://mr-cheesecake.com/pages/ginza-six
取材/井島加恵 撮影/井島加恵、お店提供