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ひと世代前のスポーツモデル

前述の1989年に登場したフェアレディZ、スカイラインGT-R(R32型)はハイパワーなだけでなく走行性能も高くクルマ好きを魅了。それに対抗すべくトヨタは2Lツインターボに替えてトヨタ初となる280psエンジンの2.5Lツインターボ(IJZ-GTE型)をスープラに搭載。これでパワー的にはライバルに並んだわけだが、1986年デビューとライバル大使設計が古いこともあり販売面では苦戦を強いられた。

実際に乗っても速いが、明らかに古い感じは否めなかった。そう、1980年代後半の日本車の性能面での進化スピードは凄いレベルだったため、A70スープラはGT-Rなどに比べると人世代前のモデル感が強かった。

古さは隠せなかったが、独特の存在感を持っていた

意外やラリーで活躍

人気のグループAのツーリングカーレースで活躍したA70スープラだったが、強敵のスカイラインGTS-Rを前にして主役となることはできなかった。

しかし、A70スープラは別のカテゴリーで大きな爪痕を残すことになる。トヨタはグループAで争われていた世界ラリー選手権(WRC)にA70スープラを投入。ツーリングカーレースとはまったく畑違いで、A70スープラと未舗装を走るグラベルラリーは不釣り合いにも見えるが、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)のワークスマシンとしてサファリラリーなどでも活躍している。駆動方式がFRながら、グラベルでの操縦性、ハンドリングには定評があった。A70スープラで蓄積されたデータがセリカGT-FOURの大躍進につながったのは言うまでもない。

トヨタ車でラリーとレースの両方でワークスマシンとなったのはA70スープラだけ。そんな点がマニアックな人の心に刺さるのだ。

トヨタのWRCわーーくすマシンとしてサファリラリーなどで活躍

【初代トヨタスープラ3.0GTターボリミテッド主要諸元】
全長4620×全幅1745×全高1300mm
ホイールベース:2595mm
車両重量:1570kg
エンジン:2954cc、直6DOHCターボ
最高出力:240ps/5600rpm
最大トルク:35.0kgm/3200rpm
価格:341万円

このアングルだとロングノーズがよくわかる

市原信幸
1966年、広島県生まれのかに座。この世代の例にもれず小学生の時に池沢早人師(旧ペンネームは池沢さとし)先生の漫画『サーキットの狼』(『週刊少年ジャンプ』に1975~1979年連載)に端を発するスーパーカーブームを経験。ブームが去った後もクルマ濃度は薄まるどころか増すばかり。大学入学時に上京し、新卒で三推社(現講談社ビーシー)に入社。以後、30年近く『ベストカー』の編集に携わる。

写真/TOYOTA、ベストカー

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市原 信幸
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