同じラインナップでもソアラとは差別化
エンジンはすべて直6で合計4種類がラインナップされていた。2ℓ、直6DOHCが135ps/18.0kgm(F系ヘッド)、150ps/18.6kgm(G系ヘッド)の2ペック、2L、直6ツインターボが210ps/28.0kgm、3L、直6DOHCターボが240ps/35.0kgm。マークII系の場合は廉価版の燃費などを考慮したF系ヘッド(昔はなんちゃってDOHCなどと揶揄されていた)の販売比率もそれなりにあったが、A70スープラではスポーツ系のG系ヘッド、2Lターボの人気が高かった。効率は二の次でとにかく魅力的なモノを精力的な時期だっただけにエンジンラインナップも豪華だ。
豪華さを全面的にアピールしていたソアラが3Lターボの販売比率が高かったのとは少し違っている。A70スープラとソアラは被っているようで被っていないというトヨタの匙加減が絶妙で、購入層も違っていた。
ボディバリエーションも豊富
ボディは前述のとおり、標準ボディとワイドボディがあり、デビュー後半年ほどでルーフが開くエアロトップが追加された。エアロトップはいわゆるルーフのみが脱着できるタルガトップだった。走りを重視する層にはボディ剛性が落ちると不評だったが、高速を快適にクルージングしたい層には人気があった。オープンになる度合いは違うがTバールーフ、タルガトップ、フルオープン、どれもアメリカで人気だったから設定されていた。
そしてサスペンションは前後ダブルウィッシュボーンが奢られ、最上級モデルにはエアサス仕様となっていた。
ターボA登場!!
A70スープラの登場時期と重なるのが日本でのツーリングカーレースの人気。特に富士スピードウェイで開催されていたインターテックは大人気で、ものすごい集客力を誇っていた。トヨタはA70スープラをツーリングカーレースに投入。ミノルタカラーのA70スープラがカッコよかった!!
このグループA車両によるレースの魅力は、グループAという改造範囲が狭いカテゴリーゆえ、そのレースで強い=市販車のポテンシャルが高い、ということだから各メーカーともそのレースの結果は死活問題だった。
ではどうするか。改造範囲が狭いため、市販車のポテンシャルを上げることが必要となる。そこでトヨタはグループAのホモロゲーション取得のため専用タービンを装着したターボAを500台限定で販売。3Lターボエンジンはノーマルの240psから270psにパワーアップされ話題になった。1989年に日産からフェアレディZ、スカイラインGT-R(R32型)が登場して280psのメーカー自主規制となったが、パワーウォーズの先鞭をつけたのはA70スープラだった。