「かりゆし」をお召しに
沖縄県ご訪問の最終日は、午前中は対馬丸記念館などを訪れ、ご昼食をはさみ午後からは修復中の首里城をご視察になられた。その際には、ご一家お揃いで沖縄の伝統染織物「かりゆし」をお召しになられた。沖縄の伝統を身にまとわれた天皇陛下はシャツ、皇后雅子さまと愛子さまはワンピースだった。
羽田空港で待ち構える報道陣からは、「きっとお召し替えされているのでは」と予想する声も聞かれた。スポットインした特別機にタラップが横付けされ、ほどなくして“かりゆし”姿の天皇ご一家のお姿がそこにはあった。少し肌寒いくらいの気温であったが、お出迎え者と”うちなー”の話に花が咲いたご様子だった両陛下と愛子さま。どんなお話をされたのか、その声は”空港の音”でかき消されうかがい知ることはできなかった。
今後、ますます愛子さまの地方ご訪問に期待が高まることだろう。
文・写真/工藤直通
くどう・なおみち。日本地方新聞協会・皇室担当写真記者。1970年、東京都生まれ。10歳から始めた鉄道写真をきっかけに、中学生の頃より特別列車(お召列車)の撮影を通じて皇室に関心をもつようになる。高校在学中から出版業に携わり、以降、乗り物を通じた皇室取材を重ねる。著書に「天皇陛下と皇族方と乗り物と」(講談社ビーシー/講談社)、「天皇陛下と鉄道」(交通新聞社)など。