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商品開発のやりがいの裏には苦労も

しょうゆやみそ、鶏しおという定番の味以外に、期間限定品も展開するこの商品。淡路さんは商品企画の部署に所属していた当時、先輩方が「煮込みラーメン」を来る日も来る日も試食していた光景が忘れ難いそう。

「推奨する召し上がり方である鍋の状態で試すので、部署内にはキャベツや白菜などが山積みになっていました。食べては麺とスープの改良依頼をして、調整したものが上がってきてはと朝昼晩と食べていましたね。もちろん現在は社内の環境も良くなりましたが、夏の暑い盛りに熱中症になったり、血中コレステロール値が上がって検診で引っかかったりしながら試食していました」と苦笑する淡路さん。

食べる仕事って羨ましいと言われることも多いけど、健康でいないと美味しさもわからないし、量を食べる必要もあるから心身共に負担がかかるんだよね。月刊グルメ情報誌「おとなの週末」もライターや編集者はガチで食べ歩いた上で紹介するお店をセレクトしているので、その大変さ、とってもよくわかる。

それから商品開発って楽しそうだから憧れるけど、これだけ世の中にいろいろなものがある中で企画を出すのは大変そうだ。

「私が入社した頃は、商品の原石のようなものを新入社員からベテランまで毎月提出していました。毎月100本ノックのような状態でずっと企画を出し続けているのでカスカスになっていましたが、だからこそひねり出したり、作り直したりを続けていく中で、おもしろいものを見つけるセンサーが高くなったり、気づきの感度が磨かれていくのだと思います。そうした中でジャストアイデアでも提案しやすい空気感がありますし、それを磨いていく土台もあります」(淡路さん)

商品企画の際、こんな苦労もあったのだとか。

「子ども用のカレーの品質開発を任された時は、自分で食べてもどこで納得すればいいのかがわからなくて。でも着地点を決めなければいけないので、その年ごろのお子さんがいる社員の方に自宅で何度も試してもらいました。何を物差しにすべきかに悩み、本当に苦労しましたね」(小川さん)

話の角度はグンと変わるが、筆者が飼っていた犬があまりに美味しそうにドッグフードを食べるものだから、試しに食べてみたことがある。その時にも開発の方々のご苦労をしみじみと勝手に感じ入ったことを思い出した。

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時代を見越した新商品が続々ラインナップ
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市村 幸妙
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