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オープンギアはキワモノ!?

初代RVRで無視できないモデルはもうひとつある。それはオープンギアだ。RV+オープンという夢のような組み合わせ。運転席上のルーフ部分が電動でスライドして収納されてオープンエアを満喫できるというシロモノ。古オープンではなくスポーツカーでいえばタルガトップのようなもので、サンルーフともキャンバストップよりオープン感は強い。電動ルーフを収納するため、リアのルーフ部分が盛り上がっているのがデザイン上の違いだが、一見フルゴネットようにも見えて小粋な感じだった。

クルマ雑誌のキワモノ、珍車特集などに登場する定番車種ではあるが、当時のインパクトはかなりのものがあった。その三菱の遊び心はユーザーにとっては過剰だったのだろう、オープンギアはあまり売れなかった。筆者も当時でさえ街中でほとんど見たことがなかった。でも、この遊び心溢れるチャレンジ精神は今のクルマにも生かしてほしいところ。

このアングルから見るとカッコいいオープンギア。開くのは運転席部分のみだが解放感満点

2024年にRVRの車名が消滅

初代RVRは1991年にデビューして1997年に2代目に切り替わった。約6年間で32万台強を販売。ブランニューカーかつ新たなジャンルに挑戦したクルマながら成功を収めた。スポーツモデル、オープンギアのほかにワイルドギアをはじめとする定番の特別仕様車の設定によりユーザーをしっかりとつかんだ。大成功だろう。

2代目はキープコンセプトで新鮮味がなかったのが仇となった!?

しかしキープコンセプトながら進化させた2代目は新鮮味がなかったのが要因と思われるが販売低迷。2010年にデビューした3代目は2024年に販売終了となり現在の三菱のラインナップからRVRの名前が消えてしまった。海外ではルノーキャプチャーのOEMでASX(RVRの欧州名)として現在も販売されているが、日本での販売はないもよう。

ブランニューモデルあるあるだが、RVRも初代がインパクトがあり最も売れた。

ASXは2023年から欧州で販売。コンパクトSUVの激戦区の日本にも投入してほしい一台

【初代三菱RVR2000X主要諸元】
全長4360×全幅1695×全高1680mm
ホイールベース:2520mm
車両重量:1380kg
エンジン:1997cc、直4DOHC
最高出力:140ps/6000rpm
最大トルク:17.5kgm/5000rpm
価格:197万3000円

初代RVRは北米ではエキスポLRVの名前で販売された

【豆知識】
ルノー・日産・三菱アライアンスは2016年に提携つされ、現在は関係が見直されて新たなものが締結されているが、三菱とルノーの関係は良好で、ルノーキャプチャーのOEM供給を受けてASX(RVRの欧州名)を2023年から販売しているのに続き、コンパクトハッチバックのコルト、さらにはグランディスを発表。どのモデルも魅力的なデザインが与えられていて日本でも販売を望む声は大きいが、今のところ海外専売となっている。

精悍なフロントマスクのコルト。ミラージュがない現在日本での販売は急務と思われる

市原信幸
1966年、広島県生まれのかに座。この世代の例にもれず小学生の時に池沢早人師(旧ペンネームは池沢さとし)先生の漫画『サーキットの狼』(『週刊少年ジャンプ』に1975~1979年連載)に端を発するスーパーカーブームを経験。ブームが去った後もクルマ濃度は薄まるどころか増すばかり。大学入学時に上京し、新卒で三推社(現講談社ビーシー)に入社。以後、30年近く『ベストカー』の編集に携わる。

写真/MITSUBISHI、PLYMOUTH、ベストカー

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市原 信幸
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