サスペンションに大きなこだわり
エスクードはシティクロカンを標榜していたが、セダン、コンパクトカーをクロカン化するのではなくあくまでもクロカンありきのクルマだ。そのため、乗用車では当たり前のものコックボディではなく、ジムニーでも培われたラダーフレームを採用。
クロカンの王道はフレーム構造+リーフリジットサスというもの。リーフリジットとはリーフスプリング(板バネ)にリジットサスペンションを組み合わせたもので、構造が簡素で強靭、耐荷重性、耐久性に優れているためトラック、クロカンに使われている。
デメリットとしては、異音が大きい、乗り心地が悪い、ロードホールディング性に劣るなど乗用車には不向きと言われている。
クロカンながらオンロード性能を重視した初代エスクードは、フロントはコンパクトカーの常套手段であるストラット、リアにはトレーリングリンク+センターAアームを採用。リアサスは初代レンジローバーと同じタイプだ。
キョロQルックの個性的なエクステリアデザイン
乗用車的キャラクターを目指した初代エスクードの大きなポイントとなるのがエクステリアデザイン。今見ると無骨なのだが、当時のクロカン勢から比べると非常に洗練されていた印象だった。
異形2灯ヘッドランプ、若干スラントしたノーズ、前後のブリスターフェンダー、全長が短いためワイドに見えるボディなど、元祖キョロQルックといった感じで、スポーティでもある。フロントにはオプション、アフター用品でグリルガードも用意されていて人気となっていたし、リアには背面タイヤを装着しているのでクロカンらしさも充分。
エンジンを頻繁に変更&追加
初代エスクードは搭載するエンジンが時代とともに変更されたのが特徴でもある。
まずデビュー時は1.6L、直4SOHCのみでそのスペックは82ps/13.1kgm。990kgというクロカンにしては軽量だったが、”遅いからモアパワーを!!” と要望する声も大きく、それに応え1990年の1回目のマイチェンで1.6L、直4エンジンはDOHC化されて100psにパワーアップを果たした。
その次の変更は1994年12月で、スズキ初となるV6エンジンの2L、V6、さらにはマツダから供給された2L、直4ディーゼルターボを追加。このディーゼルエンジンの代わりに、初代エスクードをマツダにOEM供給を開始し、マツダはプロシードレバンテとして販売。
そして1996年にはV6エンジンの排気量が2Lから2.5Lに拡大され、これはスズキとして初の3ナンバー登録車となった。さらに2L、直4エンジンが追加された。
目まぐるしいまでにエンジンを変更したのは、商品力を高めてライバルに対抗するためでもあった。ただ、競技ベース車など特殊例を除いた歴代の日本車で1車のモデルライフ中にこれだけの数のエンジン変更&追加を繰り返したクルマも珍しい。
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