世界初のジャンルに挑戦
初代エスクードは1988年5月に発表・発売となったスズキのブランニュークロカンだ。エスクードが画期的だったのは、シティクロカン、シティオフローダーという新たなジャンルのパイオニアであることだ。
前述のとおり、日本のクロカンは乗用車的なテイストを与えることに必死になっていたが、ジムニーを除きどれもみな大きく堅牢なボディに大きな排気量のエンジンを搭載していた。一方ジムニーといえば、小さなボディに強靭な走破性というガチのクロカンで乗用車的なテイストは皆無。エスクードはそれらと真逆のコンセプトで、オンロード性能を重視したクロカンだ。デビュー時にはそのキャラクターをアピールするために『クロカン・セダン』と謳っていた。
スズキはコスト管理に厳しいため『ケチなメーカー』というイメージが定着しているが、発想が豊かで、オリジナリティに溢れているメーカーというのは今も昔も変わらない。
時には突飛のないクルマを登場させたりしているが、その一方で名車も多い。
エスクードはスズキのグローバルカー
エスクード(ESCUDE)の車名の由来についてスズキでは、「昔のスペインとスペイン語圏の中南米諸国とポルトガルで使用されていた通貨単位。古スペイン金貨のイメージとそうした時代の男のロマン・冒険心等の雰囲気を重ねてイメージしました」と説明。
エスクードは海外でも販売されたグローバルカーで、北米ではサイドキック(SIDEKICK)、欧州ではビターラ(VITARA)という車名で販売されたほか、当時スズキはアメリカのGMと資本提携していた関係で、OEM供給され、シボレートラッカー、ポンティアックサンランナーという車名で販売されていた。
スズキは自社初のBEVとしてeビターラを公開し2025年秋から日本でも販売を開始する予定だが、このビターラという車名のもとになっているのは欧州版のエスクードなのだ。
小さいのが画期的だった
初代エスクードのボディサイズは全長:3560×全幅1635×全高1665mmと当時のクロカンとしては異例のコンパクトさだった。クロカンの登録車ではスズキジムニー1300が最も小さかったが、これは軽自動車のジムニーがベースだったため比較から除外。
現在5ナンバーのジャストサイズSUVとして人気の高いダイハツロッキー/トヨタライズが全長3995×全幅1695×全高1620mmだから、それと比較すればコンパクトさがわかるハズ。
ホイールベースは2200mmということで、当時のコンパクトカーの代表選手のホンダシビックの2500mm、同門の軽自動車のアルトワークスの2335mmよりも短い!!
これらコンパクトなボディがエスクードの存在価値であり大きな魅力となっていた。
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¥4,380(税込)
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¥5,400(税込)
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