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世界のメーカーに影響を与えた

シティクロカン、シティオフローダーという新ジャンルに挑みながら販売面でも成功を収めたのは特筆だ。あの手この手でクルマを改良したのも奏功し、日本では1988~1997年に約20万台を販売。驚くのはグローバルの生産台数で、その数135万台!! 海外では特にイタリアでの人気は当時も話題になっていた。

その成功を他メーカーが見過ごすわけもなく、エスクードが構築したジャンルに多くのライバル車が登場。その結果登場したのが、初代トヨタRAV4(1994年)、初代ホンダCR-V(1995年)だった。初代エスクードは1997年まで生産されたため、ガチンコ勝負を展開したが駆逐されてしまった。

初代RAV4、初代CR-Vに比べると初代エスクードのほうがクロカン色が強い

両モデルがデビューした時は初代エスクードのデビューから6年程度経過していたこと、エスクードを研究し尽くしてしっかりとマーケットリサーチしていること、ライバルの2車はより洗練されたデザインが与えられていたこと、乗用車をクロカン化してオンロード性能を重視していた点など、初代エスクードにとっては不利な要素だらけで、勝てる要素はオフロード性能だったが、それが重視されない時代になっていた。

しかし初代エスクードが新ジャンルを開拓したこと、日本メーカーだけでなく世界中のメーカーに大きな影響を与えたという事実は褪せない。

初代エスクードではヘリーハンセン、ゴールドウィンなどアパレル関係とのコラボによる特別仕様車が登場したのは画期的だった

【初代スズキエスクードハードトップ(5MT)主要諸元】
全長:3560mm
全幅:1635mm
全高:1665mm
ホイールベース:2200mm
車両重量:990kg
エンジン:1590cc、直4SOHC
最高出力:82ps/5500rpm
最大トルク:13.1kgm/3000rpm
価格:157万円

5ドアのノマドの登場により初代エスクードの販売は大幅にアップ

【豆知識】
eビターラはスズキ初のBEVで、すでに日本でも公開されている。ボディサイズは全長4275×全幅1800×全高1640mmのBセグメントのクロスオーバーSUVだ。フロンクス同様にインドで生産され、日本に輸入するかたちで秋(10月頃?)発売予定となっている。BEV専用HEARTECT-eプラットフォームを新開発し、駆動方式は1モーターのFWD(前輪駆動)と2モーターの4WDを設定。バッテリーは49kWh、61kWhという2種類の容量のリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LFP)で、駆動方式、モーターパワーの組み合わせにより一充電での航続距離は400km以上、450km以上、500km以上となっている。2025年9月13日時点で価格は発表されていないが、スタート価格は400万円を切るあたりに設定されそう。グローバルにおけるスズキ期待のBEVがeビターラだ。

スズキ初のBEVであるビターラはBセグメントSUVで日本での使い勝手もいい期待の一台

市原信幸
1966年、広島県生まれのかに座。この世代の例にもれず小学生の時に池沢早人師(旧ペンネームは池沢さとし)先生の漫画『サーキットの狼』(『週刊少年ジャンプ』に1975~1979年連載)に端を発するスーパーカーブームを経験。ブームが去った後もクルマ濃度は薄まるどころか増すばかり。大学入学時に上京し、新卒で三推社(現講談社ビーシー)に入社。以後、30年近く『ベストカー』の編集に携わる。

写真/SUZUKI、NISSAN、CHEVOLET、ベストカー

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