×

気になるキーワードを入力してください

SNSで最新情報をチェック

ノマドの登場で販売増強

初代エスクードはデビュー時には3ドアのみでハードトップ、ソフトトップ付きのコンバーチブルという2タイプのルーフを設定。その後、ハードトップの気密性とコンバーチブルの解放感の両方を堪能できるレジントップを追加。このレジントップの技術が後にクーペ、Tバールーフ、タルガトップ、フルオープンの4態を自在にチョイスできるカプチーノの3分割ルーフにつながったと思っている。

レジントップはハードトップとコンバーチブルのよさを満喫できた

初代エスクードで最大のトピックはロングボディを採用した5ドアのノマドの追加だろう。3ドアの初代エスクードはシティコミューターとしての使い勝手はよかったが、ファミリーユースとなるとリアシートの狭さなど3ドアのネガが足かせに。しかし、5ドアのノマドの追加によりそのネガを解消して販売もアップ。

ノマドとは遊牧民の意味で、ノマド登場以降はTV CMも民族衣装をまとった遊牧民(モンゴル系?)を登場させるなどアピール。ジムニーシエラの5ドアがジムニーノマドと命名されたが、初代エスクード以来の復活となった。

5ドアのノマドの登場で乗降性、リアシートスペース、乗り心地のすべてが改善された

オン/オフでも走りはどうか?

初代エスクードといえば筆者にとって思い出深いのは自動車評論家の西村光生氏(故人)。初代エスクードを長く愛車としておられて、公私共にお世話になった。西村氏のエスクードを運転させてもらったり、横に乗せてもらったこともあるが、クロカンの酸いも甘いも知っている西村氏の「エスクードがあればほかは何もいらない」のお言葉が印象的。

4WD性能、サスペンションともオフロードでよさを発揮!!

初代エスクードの能最低地上高は200mm、アプローチアングル:40度、デパーチャーアングル:41度、ランプブレークオーバーアングル:25度という立派な対障害角度を誇る。と反応力も52.8度と堂々たるもの。センタースルー方式の4WDはオフロード用として高いポテンシャルを持っている。

西村氏は、「ノマドはホイールベースが延長されているのでランプブレークオーバーアングルは小さくなってしまったがそれでも充分な走破性を持っている。何よりも軽いのが最大の魅力でジムニーほどではないにしてもオフロード性能は満足できる」と太鼓判。

一方、オンロードでは3ドアはショートホイールベースゆえよく言えばキビキビ走るが(最初期の3ドアの2L、SOHCモデルは遅かった!!)、少々落ち着きがない。しかしロングホイールベースのノマドは直進安定性もしっかりしていて、乗り心地もいい。

3ドアはキビキビ走るが少々落ち着きがない(直進安定性に欠ける)印象

X-90はエスクードベース

初代エスクードをベースとしたスペシャルティ色を強めたモデルがX-90(1995年登場)だ。自動車雑誌などの珍車、奇天烈カー、迷車などの特集で必ず出てくる強者だ。東京モーターショー1993に出展されて反響が大きかったから市販化するも販売面で大苦戦。

クロカンながら2ドア・2シーターというもの実用性という点で見劣りしたのは事実。バブル崩壊後は夢よりも現実を追うようになった日本のクルマ界において苦戦を強いられたのは当然だろう。ユーザーもキワモノとしか見ていなかっただろう。ツインと並び突飛のないスズキ車の代表格だが、記録よりも記憶に残っているという点では価値あり。

スズキの誇るキワモノナンバーワンがX90(1995年デビュー)
次のページ
世界のメーカーに影響を与えた
icon-next-galary
icon-prev 1 2 3 4 5icon-next
関連記事
あなたにおすすめ

この記事のライター

市原 信幸
市原 信幸

市原 信幸

おとなの自動車保険

最新刊

全店実食調査でお届けするグルメ情報誌『おとなの週末』。2025年8月16日発売の9月号では、東京で食…