最後の晩餐に選んだのは…「このビールを飲むために頑張るんだ」
今回は仙台シリーズ第2回として、推しの締め料理がある名居酒屋をご紹介しました。最後に、ビール好きの筆者が仙台で経験した究極のエピソードで締めたいと思います。
20年ほど前、ある居酒屋に訪問した時に年配の男性とカウンターで隣になりました。同じ銘柄のビールを飲んでいたためか、ふとその方がビールをついで下さいました。話を聞くと当店に魚を卸している会社の社長でした。続いて「私はビールに命を救われました」と語り始めました。
「私は一度事業に失敗し、三陸の海に身投げしようと思ったことがあります。岸壁に立ちふとまわりを見ると、すぐ近くの街道に食堂がありました。最後の晩餐に美味しいものを食べようとのれんをくぐり、まずビールを頼みました。これが最後のビールと乾いた喉を潤したところ、あまりにも美味しくて涙が出、同時にまた生きる勇気が湧いてきたんです。こんな美味しいものがあるのに私は死ねない、またこのビールを飲むために頑張るんだ、と。今ここにいるのはビールのおかげです。」
たかがビール、されどビール。今日も美味しいビールをいただきましょう。
文・写真/十朱伸吾
おとなの週末Web専属ライター。旅と食とビールと競馬をこよなく愛する。ツーリングとゴルフも趣味。ツーリングの成果でダイエットにも成功。
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