「ロック・ アラウンド・ザ・クロック」全米No.1から70年
音楽史上に於いて2025年はロックン・ロール~ロックが世間に認知されて70周年となる。アメリカのロックバンド「ビル・ヘイリーと彼のコメッツ」が「ロック・ アラウンド・ザ・クロック」をリリースし、1955年に全米No.1ヒットとなってから70周年にあたるからだ。
そういった過去が進化~変化かも知れないが~して、現在の音楽がある。そういったことを知って自己の音楽の中に過去を埋め込んで 「逆進化」させている日本の若いミュージシャンは、皆無と言わないまで日本のも非常に少ないと思う。
これは一例だが、アメリカで大人気のシンガー・ソングライター、ビヨンセはカントリーを主題にして新作アルバム制作した。世界中で若年層にはあまり人気のないカントリーを「逆進化」させて、大ヒットにつなげた。これが音楽の奥行きのひとつと言 える。
ビートルズとストーンズ、進化と逆進化
ロックン・ロール70周年。この間に数多くのアーティストが出現した。その中でたとえ 音楽をまったく知らなくてもその名を知っているというアーティストは存在する。その代表格がザ・ビートルズとザ・ローリング・ストーンズだろう。
この2大バンドの共通点は自身の音楽の中に過去を埋め込んで未来へつなげたことだ。 ザ・ビートルズは初期のアルバムでも分かるように1950年代のポップス、ソウルなどをカヴァーしてオリジナルでスタイルを形成して 行った。ザ・ローリング・ストーンズもデビューアルバムではオリジナル1曲を除いてすべて古いR&Bやブルーズをカヴァーした。
そういった過去への逆進化を出発点にした からこそ、彼らの音楽は曖昧でない普遍性を得たのだ。結成から60年以上たった今でも彼らの音楽の人気が高いのは、音楽の中に「進化」 と「逆進化」を混在させているからなのだ。


