伝統を守りながらも明らかに新しい
エクステリアデザインは、伝統のキャッツアイを踏襲するも明らかに新しい造形が盛り込まれた。角の初代、丸みを帯びた2代目、そして3代目はボディサイズの大型化もあり、グラマラスで高級感あふれるデザインに仕上げられていた。
特にリアフェンダーのふくよかなボリューム感は圧巻で、野生動物が獲物を狙う姿がモチーフとなっていて、見る者を圧倒する迫力を持っていた。
一方インテリアはいたってシンプルながら、2代目よりも明らかに質感が高めらていて、躍動感のあるエモーショナルなエクステリアとは対照的に質実剛健と言った雰囲気に仕上げられていた。ボディサイズの拡大に伴い室内スペースも大幅に広くなり、ロングで室内超は+60mm、室内幅は+110mm、室内高は-10mm。ボディの変更以上に室内が広くなっているのは、快適性を重視した結果だ。
伝統のラダーフレームを捨てた!!
3代目パジェロにおいて大型化以上に話題になったのがボディ構造だ。初代、2代目のラダーフレームを捨て、フレームを内蔵したビルトインフレームのモノコック構造を新採用。これによりねじり剛性、曲げ剛性とも3倍以上にアップすると同時に、エンジン搭載位置低くすることで低重心化に実現。そして約100kgも軽量化するなど、ハンドリング、動力性能、乗り心地、燃費のあらゆる点の進化に大きく貢献。
これは三菱の増岡浩氏から直接聞いた話だが、伝統のラダーフレームからモノコック構造へ変更することは、三菱社内を二分するほどの大問題となったという。言うなれば保守派と革新派の鬩ぎ合い。「モノコックにするならパジェロの車名は使うべきではない」という意見も出たという。しかし、最終的に三菱は新世代の世界基準実現のために”進化”を選んだのだ。そこには、パジェロの使命であるパリ・ダカでの戦闘力アップを見据えていたのは言うまでもない。1990年代後半のパリ・ダカはタフさに加えて物凄いレベルでハイスピード化されていて、モノコック化はそれに対応させる重要な手段だったのだ。
市販車のレベルを超越する高い志
モノコック化については、マニアは完全否定するケースが多かった。クロカン=ラダーフレームのイメージは強い。これは現代でもそう。実際に悪路を走る場合に頑強で高い耐久性、耐荷重性に優れていることもあり、いまだにオフロード好きにはラダーフレーム信仰者は多く、モノコックは軟弱だと否定的。
しかし3代目パジェロは前述のとおり、ねじり剛性、曲げ剛性とも飛躍的に向上している。これは市販車とはかけ離れたボディ剛性が求められるラリーの世界で通用するレベル。具体的に言えばパイプフレームのパリ・ダカのプロトタイプクラスのパジェロと同等のボディ剛性を確保すべく開発が進められたのだ。一般のユーザーが求めるレベルを超越していたのが3代目パジェロだったのだ。






