サスペンションもクロカンのタブーに挑戦
モノコック化というクロカンではある意味タブーに挑戦した3代目パジェロだが、本格クロカンを標榜するうえでタブー視されたのはそれだけではなかった。3代目パジェロの足回りはフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンクという4輪独立懸架を新採用。クロカンの場合、セダン、スポーツカーなどと違いリアサスはリジッドアクスル式(車軸式)が必須だった。リジッドは左右のタイヤが1本の軸で直結されているため、モーグル路など悪路で片輪が浮きそうな状況になった時に片輪が地面に押し付けられるため強靭さと高い悪路走破性を実現できるからだ。あと、サスペンションアームの動きにとらわれず、大きなホイールストロークが確保できること、何よりも構造がシンプルで部品点数も少なく壊れにくい耐久性も確保できるというメリットもある。
実際に初代、2代目ともフロントはダブルウィッシュボーンの独立懸架に対しリアはリジッドとなっていて、3代目パジェロはここでもパジェロの伝統を無視。
しかし3代目で採用された4輪独立懸架は、ポッと出のものではなく2代目ベースでパリ・ダカのホモロゲ取得用に限定販売されたパジェロエボリューションで採用ずみ。パジェロエボで、市販モデルの4輪独立懸架のデータや耐久性のノウハウを徹底収集し、その完成形を3代目に採用したという経緯がある。
4WDは後輪駆動寄りのセッティング
3代目では電子制御技術が本格的に導入されたことも無視できない。2代目パジェロで登場したフルタイム4WDとパートタイム4WDを車内から切り替えできるスーパーセレクト4WDはスーパーセレクト4WD-IIへと進化。前後トルク配分は、前者がフロント50:リア50だったのに対し後者はフロント33:リア67と後輪駆動寄りにすることで旋回性能を大きく向上させていた。
北海道の十勝のテストコースでこれでもかというくらい走り込み、利便性の高さ、扱いやすさ、走破性とすべてを高い次元で融合させた4WDシステムは、実際にオンロード、オフロード問わずドライバーに与える安心感は絶大。プロやマニアだけでなく万人が使いやすい4WDに仕上げてきたのだ。
エンジンの目玉はディーゼル
搭載されるエンジンは2種類(デビュー時)で、3.5L、V6DOHCの直噴ガソリンのGIDはリファインされ220ps/35.5kgmをマーク。そして目玉は新開発で三菱初の直噴ディーゼルのDIは3.2L、直4DOHCディーゼルターボで175ps/39.0kgmのハイスペック。伝統的に三菱のエンジンは低中速トルク重視ながら、DIは最大トルクをわずか2000回転でマークする超低回転型。アイドリングが800回転ほどだから、アクセルをひと踏みするだけで最大トルクをマークするため2トンを超えるボディながら、スタートの加速感は鋭かった。モノコック化による軽量化は、加速性能の向上とともに燃費の向上にも大きく貢献。ロングの場合で10・15モード燃費はガソリンのGDIが8.7km/Lに対し、ディーゼルターボのDIは10.2km/Lと燃費は約20%増し。





