年令や性別を問わず、みんなに好まれる味。言い換えれば、可もなく不可もなく。それがチェーン店に対する私の印象だった。ところが、最近では客層を絞り込み、個人店にも負けないような個性的なメニューを出すチェーン店も多くなった。
タンメンブームを牽引する『岐阜タンメン』
筆者が暮らす愛知県では3、4年ほど前から野菜がたっぷりと入ったタンメンのブームが続いていて、桶狭間タンメンや尾張タンメン、名古屋タンメンなど地名を冠した店が続々とオープンしている。その中でも人気なのが『岐阜タンメン』だ。
週末になると深夜でも満員。店の前には行列ができるほど。並んでいる客を見ると、ほとんどが若い世代である。野菜たっぷりとはいえ、脂ギラギラのこってりとしたタンメンのビジュアルから50代の筆者にはキツイと勝手に思い込み、気にはなりつつも足を運ぶことはなかった。
3月のある日、SNSで『岐阜タンメン』が手がける町中華がオープンしたことを知った。その名も『岐阜タンメンの町中華』。実にわかりやすい(笑)。何となく、いや、かなりソソられてしまい、店がある一宮市へ車を走らせた。
店の建物に掲げられた白地に赤の文字の看板はまさしく『岐阜タンメン』。いや、この色使いは町中華をも連想させる。
それにしても、なぜ町中華のイメージカラーは赤なのだろう。中国の国旗のイメージなのか? あっ、そういえば町中華で食べるラーメンの丼も白地に赤が多い。そんなところからイメージがつけられていくのだろう。
店内も赤で統一。店の壁に掲げられたメニューを見ると、麺類やご飯もの、炒めもの、揚げものが用意されているようだ。正直、町中華にしては少ないと思ったが、徒に数を増やしてロスを出すよりもコンスタントに注文が入るメニューをリサーチして絞り込んだのだと思う。