壁に貼られた品書きをみると、つい「瓶ビール一本!」と言いたくなりませんか?そう、定食屋は自由な酒場でもあるんです。今回は、まるで定食屋さんのようなツマミが揃う個性的なバー『タフィア』で飲んでみました。
『タフィア』 @西麻布
食中のスター誕生“ハバソー”が昼飲みを変える?!
のっけからナンですが、このバーにいわゆる定食は、ない。じゃあ何か、と。そう、なんていうか、まるで定食屋飲みで頼みそうなツマミとか惣菜がある。そんなバー結構あるって?でーすーよーねー。でもここ、蒸留酒の“ラム”専門バーなんす。
ラムしかない、ラムオンリー。とりあえずのビールすら置かないバーってだけで珍しいのに、そこに佃煮とか漬物(しかも種類豊富)があるなんて、ヘンじゃないですか?ということで、ラムバー『タフィア』が、おかしなことになってますの巻。
西麻布の隠れ家と言われ続けて20年。「隠れたつもりは一度もない」と店主・多東千惠さんは言うが、いや分かりにくいし、ここ。話を戻し、そう、ラム専門で20年。多東さんはその魅力を伝えるべく、主要生産国であるカリブ海諸島の文化や食も、この店で発信してきた。
「でも現地の定番、マンゴーのススカイ(マンゴーをハバネロ、ライムの搾り汁でマリネしたカリブ料理)がラムに合うとお伝えしても、あまりに日常性がないから広がらない。ならばと、馴染みのあるものを合わせればもっと伝わるかなと思って」。そう考えた多東さんは、かねてより相性がいいと思っていた漬物や佃煮、さまざまな食材のぬか漬け、麹漬けといった和のメニューを取り込み始めた。
本日のぬか漬け 500円、ハバソー 500円
営業も数年前から昼スタートに切り替え、ランチ客も増。そこで昼飲みにピッタリな“ハバソー”を、食中酒のメインとして打ち出したとか。「ハバナクラブのソーダ割です。これ、かなり色んな食事に合うんですよ。ウチでのおすすめは、ぬか漬け、佃煮、チャーシューなど。町中華メニューにも相当合います」
どれどれと試したら、え衝撃。日本酒に合うようなツマミばかりと思っていたが、ラムのほんのり甘やかな香りと、伸びの良さがありながらキレもいいので、むしろこっち、ハバソーのが合う!(筆者主観)。
しかもラムの覚醒作用で(自分調べ)、飲めば飲むほどぬか漬けの繊細な酵母の味まで感じる……。もちろん、肉やチーズとの相性も抜群だ。このハバソー、町の定食屋飲みでメニューにあったら、えらいブレイクするかも。いや多分、間違いないな。
[時間]東京都港区西麻布2-15-14 ウェストポイントビル1階
[電話]03-3407-2219
[営業時間]11時半〜24時
[休日]日
[交通]地下鉄千代田線乃木坂駅5番出口から徒歩10分
撮影・取材/編集部
※2023年2月号発売時点の情報です。
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