陽の当たる地面にどてっと大きなお尻をつき、遠くを眺めている猫の「ケンジ」。その表情は、人生経験を積んだ”シブいおじさん”のように人間味にあふれ、心を惹きつけます。ケンジは北海道・小樽の人気者。ケンジの気ままな日常がわかる写真展「気ままなボス猫『ケンジ』~ 猫フォトの撮り方・魅せ方教えるべや ~」が5月26日、東京ミッドタウンの「富士フイルムフォトサロン 東京」で始まりました。6月8日まで。北海道生まれの写真家・土肥美帆(どい・みほ)さんが、今回の展示のために撮りおろした作品も多数あります。予約なしでふらっと立ち寄れ、無料で鑑賞できるのも魅力です。
漁師の元飼い猫、地域住民に愛される存在
土肥さんは2008年から猫と暮らし始めたことがきっかけで被写体が猫中心になり、2014年からは小樽市に生きる猫たちを撮影しています。土肥さんとケンジの出会いは2018年、撮影のために小樽の漁港で猫を探していた時のことでした。
その頃のケンジは、メス猫の「きっこちゃん」が大好き。ただ、全く相手にされません。土肥さんは、それでも大きな体で追いかけるケンジの姿がおかしくて、魅力を感じたそうです。
もともとは漁師の飼い猫だったケンジ。今では、地域住民の各家にも出入りして世話をしてもらい、自由気ままに暮らしているのだそう。地元の愛される存在です。
「富士フイルムフォトサロン 東京」の会場では約50点を展示。ケンジの“人生”を達観したようなキリっとした表情と、相反する力の抜けた姿に思わずクスっとさせられます。“あっかんべ~”をしている様子にはほっこり。心の“凝り”がほぐれます。