円安に起因する原材料の高騰や安全装備の義務化などによって、どんどん高くなる新車価格。家計への負担も大きくなるばかりだ。そうなると候補に挙がるのがクルマのサブスクだ。これまで新車を乗り継いできたユーザーにはまだまだなじみが薄いサブスク。果たしてどんなユーザー向きのサービスなのだろうか?
トヨタ「KINTO(キント)」日産「クリックモビ」ホンダ「楽まる」と各社が対応
今は各メーカーとも、サブスク(サブスクリプション/定額制カーリース)に力を入れる。従来は商品を購入するのが一般的だったが、近年は携帯電話の普及もあり、料金を毎月支払いながら使う方法が定着した。そこで自動車メーカーもサブスクの運用を開始した。
トヨタは「KINTO(キント)」、日産は「クリックモビ」、ホンダは「楽まる」という具合に、それぞれサブスクを用意する。今では新車と併せて、中古車を使った低料金のサブスクも増えた。
月々の支払い料金は、サブスクの内容や車種によって異なる。基本的には高価格車ほど料金も高くなるが、その車種の値落ちの仕方によっても異なる。人気が高く、資産価値の下がりにくい車種は、価格の割に月々の支払い料金を抑える傾向が強い。資産価値が温存されて減少しにくいから、料金も安くなる。
そしてリース期間満了後に、買い取りが可能か否かも、サブスクによって異なる。トヨタのKINTOは、返却が前提で買い取りはできない。日産のクリックモビは、リース期間満了後に、車両を買い取ることが可能だ。ホンダの楽まるは、5年コースは買い取りが可能で、7年であれば期間満了後に車両が譲渡される。これはつまり、7年間で車両すべての支払いが終了したことを意味する。
サブスクには「自賠責保険料」「車検費用」「メンテナンス費用」が含まれる
そして損得勘定に大きな影響を与えるのが任意保険の取り扱いだ。サブスクはカーリースだから、税金、自賠責保険料、車検費用、メンテナンス費用はすべて料金に含まれる。
しかし任意保険は対応が異なり、日産のクリックモビとホンダの楽まるは、標準付帯されていない。ユーザーの希望に応じて、任意保険料もサブスクの料金に含められる。
その点でトヨタのKINTOは、車両保険を含めて、任意保険が標準付帯されている。しかも全年齢補償で、ドライバーを限定していない。例えば契約者と同居する未成年の子供が運転して、交通事故の加害者になった時も、任意保険を使うことが可能だ。
このような条件を設けない任意保険は、保険料が高騰する。価格が250万円前後の車種でも、1か月の任意保険料が2万円から2万5000円に達する場合がある。KINTOはこのような任意保険を標準付帯する割に、料金が安い。