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大分県の湯平(ゆのひら)温泉に、外国人客に人気の小さな温泉宿がある。世界最大の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」の「2024 トラベラーズチョイス ベスト・オブ・ザ・ベスト ホテル」(旅館部門)で全国2位になった「旅館 山城屋」だ。客室付きの風呂もなければ、絶景露天風呂があるわけでもない。小さな宿がなぜ外国人に受けているのか。館主の二宮謙児さん(63歳)にその理由を尋ねてみると、そこには「ないものを探すのではなく、あるものを生かす」「困っていることに手を差し伸べる当たり前の親切」といったおもてなしの哲学が垣間見えた。

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宿のホームページの対応言語は驚きの「104言語」!

コロナ禍が明けると、2022年末ごろから、山城屋には以前と同じように連日、満室状態が戻ってきた。「インバウンドは儲かる」とばかりに値上げに踏み切る宿もあるが、ここは高級というわけではない。1泊2食付き1万9000円(入湯税別)〜で、等身大の日本らしさが体験できるという点が受けている。

韓国からのカップル客と、「旅館 山城屋」の二宮さん。外国からのお客さんは玄関をはじめ、館内でたくさん、動画や写真を撮る

この宿を訪れる客を国別に見ると、韓国からが圧倒的に多く6割、次いで香港、シンガポールと続く。「コロナ禍前まで来たこともなかったルーマニアやベラルーシといった、あまり馴染みのない国からもお客様が訪れるようになった」(二宮さん)。これには、コロナ禍前はホームページの言語が4カ国語表記だったのを、現在は104言語まで拡充したことも影響している。

リピーターが圧倒的に多い、「6回」訪れた客も

客の9割が外国人という旅館だが、インバウンド専門というわけではない。基本、「どこの国の人もウェルカム」のスタンス。もちろん、日本人客もいる。が、外国のお客さんは一度気に入れば、次は親を連れてきたり、友達を連れてきたりする人が多く、結果、海外からのリピーターが圧倒的に多くなった。

リピートの回数は、多い人で、6回にも上るという。

木造、入母屋の瓦屋根も外国のお客さんにとっては新鮮に映る
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開湯は約800年前、500メートルの石畳が旅情をそそる...
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野添 ちかこ
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