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魅力的な身内の存在で賞味期限はわずか1年!? 太く短く時代を貫いた初代セフィーロ

今でこそ世界で確固たる地位を築いている日本車だが、暗黒のオイルショックで牙を抜かれた1970年代、それを克服し高性能化が顕著になりイケイケ状態だった1980年代、バブル崩壊により1989年を頂点に凋落の兆しを見せた1990年代など波乱万丈の変遷をたどった。高性能や豪華さで魅了したクルマ、デザインで賛否分かれたクルマ、時代を先取りして成功したクルマ、逆にそれが仇となったクルマなどなどいろいろ。本連載は昭和40年代に生まれたオジサンによる日本車回顧録。連載第60回目に取り上げるのは1986年にデビューした初代トヨタスープラだ。

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元々はセリカの上級モデル

トヨタの元祖スペシャルティカーと言えばセリカ。2024年、マニュファクチャラーズチャンピオンを決めたWRC(世界ラリー選手権)のラリージャパンで、トヨタの中嶋裕樹副社長が『セリカ復活』を明言してクルマ好きの間では話題になった。その復活は2026年が有力視されている。これは楽しみだ。

初代セリカXXは1978年にデビュー

セリカの上級モデルとして登場したのがセリカXXで、初代モデルはラグジュアリー系のハッチバックで1978年、2代目は一転リトラクタブルヘッドライトを備えたスポーツ性を高めたツランツ―リスモにキャラクターチェンジして1981年に登場。

北米ではセリカXXをスープラとして販売

トヨタの最上級パーソナルクーペであり、日本を舵評するモデルとなったソアラと基本コンポーネントを共用して誕生した2代目セリカXXは大ブレーク。ロータスの創始者、コリン・チャップマンをCMに起用したことでも話題になったが、実はこの頃トヨタはロータスと協力関係にあり、ロータス買収の動きも水面下ではあったようだ。

今の50代後半から60代前半の人にとっては印象深い2代目セリカXX

その人気となった2代目の後を受けて登場したのが今回紹介する初代スープラ。3代目セリカXXではなく、スープラとして登場。北米の輸出モデル名を名乗って登場。

スープラ『SUPRA』とはラテン語で「上に」とか「超えて」という意味で、英語の『SUPER』と同義だ。

当時は車名について賛否ありダブルエックスという響きがカッコよくて、スープラという車名はどことなく間が抜けていたように感じた人も多かったはずだ。ちなみに筆者はXX派だった。

日本では初代、北米では3代目

日本で言う初代スープラ(A70)は北米では3代目となる

車名が国によって変わることはいろいろなケースがある。まず商標問題。本国ではルノークリオとして販売されているが、日本ではルーテシア。これはホンダの販売店『クリオ店』が存在したため(現在はホンダカーズに統一)で、そのほかヒュンダイエクセルが商標の関係でXLと表記してエクセルと読ませたりしたケースなどもある。トヨタでもマークIIは北米でクレシーダという車名で販売されていたのは商標関係だと言われている。

その他では、国によってはふさわしくない名前になるケース。こちらの例としては三菱パジェロが有名だが、スペイン語圏ではパジェロという言葉の響きが、あまりよろしくないスラングと似ている(同じじゃない)ため、モンテロとして販売されていた。

実はセリカXXもそう。当時のアメリカではXの列記(X・XX・XXXなど)は成人映画指定の度合いを示すことから、トヨタは車名としては相応しくないと判断し、セリカXXは北米では初代からスープラとして販売していた。

今回紹介する日本で言うところの初代スープラは、北米では3代目ということになる。ただ、スープラは型式で呼ばれることが一般化しているので、ここではその型式であるA70スープラと表記する。

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ソアラ、A70スープラが立て続けにデビュー
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市原 信幸
市原 信幸

市原 信幸

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