旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■個性派です
正解:しかくまめ
難易度:★★★☆☆
全草食用の珍しい植物です
しかくまめは、その名のとおり四角い断面をもつことから名づけられました。
英語では「Winged Bean(翼のある豆)」と表現されるように、実の縁に翼のような形状をしたヒダ状のひらひらがついています。
マメ科に属し、原産地は熱帯アジア、またはマダガスカルといわれています。旬は、夏から初秋にかけて。収穫の最盛期は8月から10月頃です。日本では沖縄県など温暖な地域を中心に栽培されています。
沖縄では「うりずん豆(うりずんまみ)」という名前が一般的。「うりずん」とは沖縄の方言で初夏を意味します。
しかくまめの魅力は、シャキシャキとした食感。肉厚でぷりっとしたさやは、軽く火を通すだけで絶妙なシャキシャキ感に変わります。味はクセがなく、ほんのりとした甘みがあり、どんな食材ともなじみやすいのが特長です。
さやごと食べられますが、生のままだと繊維がやや硬めのため、軽く火を通してから使うのが基本。色鮮やかに仕上げたい場合は、1~2分ほど湯通しするだけでも十分です。
天ぷら、炒め物、ごま和えなどがとくにおすすめの食べ方です。
しかくまめは「全草食用」の珍しい野菜としても知られています。全草食用とは、さや・葉・花・根・茎のほとんどすべてを食べることができるという意味です。
一般的にはさやを食べることが多いですが、若い葉や茎も炒め物やおひたしとして利用できるのです。
さらに、薄紫色の美しい花は食用花(エディブルフラワー)としても注目されており、サラダや冷菜の彩りに使われます。
根は「地中の豆」とも呼ばれます。見た目はヤマイモや長芋に似ており、加熱するとホクホクした食感に。たんぱく質やでんぷんを多く含み、海外では主食やスープの具材としても使われています。
このように、しかくまめは一株で多彩な味わい方ができる、非常に実用的な野菜なのです。