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全店実食調査!『おとなの週末』が自信を持っておすすめするお店をご紹介します。今回は、東京・青山一丁目のイタリア料理店『トラットリアシチリアーナ・ドンチッチョ』です。

元気になれるシチリアの魔法の粉使い

浜辺に打ち上げられた風景のごとく、サッビア(砂)を纏った魚介とパスタ。“砂” はシチリアお得意のローストパン粉、筒型のパスタは盛大な魚介らに負けない、肉厚ド迫力の「パッケリ」である。がっしり噛めば、魚介のダシやピスタチオペーストのコクに負けない小麦の風味。

パッケリ・イン・サッビア3300円

『トラットリアシチリアーナ・ドンチッチョ』パッケリ・イン・サッビア 3300円 ムール貝、アサリ、カジキマグロ、ヤリイカがごろんごろん。魚介とピスタチオの組み合わせはいかにもシチリア

シェフの石川勉さんは、とりわけパスタを大事にし、長年自ら担当してきた。

「イタリア修業時代、パスタのまずい店は、何を食べても旨くなかったから」

シチリアは乾麺文化の土地柄だ。ショートパスタの種類は無限、そして、そのどれもが噛んで噛んで噛みしめる系。

「ヨランダ」は同名の女王に捧げられたパスタ。ドレスの裾を模したフリルに、大きなクマエビと小さな唐辛子をトマトで煮込んだソースが絡む仕掛けだ。仕上げにはやはりローストパン粉。こちらはコンツァと呼ばれる、アーモンドやマグロのからすみが混ざった旨みの粉である。

段違いに香るシチリアのアーモンドと乾燥トマト、ナスの濃厚なペーストを、しっかりと螺旋が巻き取る「フズィッローニ」にも、魔法のパン粉。こちらはアーモンドの粗挽きを混ぜてカリカリに。

シチリアの豊かなパン粉使いは、チーズの代替であり、お腹も膨れる庶民の工夫。貧しくとも手にあるもので知恵を絞り、楽しく、とびきりおいしく!彼らのパスタは、だから元気になれるのだ。

『トラットリアシチリアーナ・ドンチッチョ』シェフ:石川勉さん

シェフ:石川勉さん「ショートパスタは噛んで噛んで、からのワイン!」

『トラットリアシチリアーナ・ドンチッチョ』奥行きのあるカウンターでゆったりと食事を

青山一丁目『トラットリアシチリアーナ・ドンチッチョ』

[店名]『トラットリアシチリアーナ・ドンチッチョ』
[住所]東京都港区南青山1-2-6ラティス青山スクエア1階
[電話]03-5843-1393
[営業時間]18時~22時LO、土は17時半~
[休日]日、祝月、第1・3月
[交通]地下鉄半蔵門線ほか青山一丁目駅4番南出口からすぐ

※画像ギャラリーでは、女王にも捧げられたパスタ「ヨランダ」の画像がご覧いただけます。

■おとなの週末2025年7月号は「夏の麺

『おとなの週末』2025年7月号

撮影/貝塚隆、取材/井川直子
※2025年3月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

つづく「【厳選2軒】神楽坂エリアで絶品の町中華と“町イタ”を発見! 名店仕込みの味が楽しめる」では、日本の料理だけではなく、他の国の料理にもフォーカスを当て、ひっそり構える店を紹介します。

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おとなの週末Web編集部
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