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「ジョイフル三ノ輪」から 始まった都電荒川線の旅

昭和レトロなアーケード街「ジョイフル三ノ輪」。 揚げたてのコロッケ、焼きたてのパンと、あっちからもこっちからも、いい匂いが漂ってくる。 と、そこへ両手に天ぷらを持ち、冬眠前のリスのように、両頬を丸くしてモグモグしている男がやってきた。編集の戎ではないか! 「これ? そこの『きく』 で買った大阪のソウルフード、しょうが天ですわ。うまー」

激安買い食いが 楽しい! 「ジョイフル三ノ輪」 の良店

「しょうが天」 90円 名物の紅しょうが天や春菊天(120円)はぜひ揚げたてを。

明るく元気な覚前三枝子さんが始めた絶品の天ぷら屋さん。お料理上手な母の名前を店名にしたそう。名物の紅しょうが天や春菊天(120円)はぜひ揚げたてを。サクサクでいくらでも食べられる。[交]荒川一中前駅から徒歩3分 ※ランチタイム有

さあ、三ノ輪橋駅から都電荒川線に乗るので、打ち合わせしましょうと、 『きく』の隣にあるコーヒー豆屋『ぱぱ・のえる』へ。

ウチで 1日乗車券が 買えますよ!

「三ノ輪橋都電ブレンド」 330円

ちょうど焙煎中らしく、店内には香ばしい香りが充満。 「マスター、私たちこれから都電の旅に出るの」 「そうなの? うちで都電の一日乗車券、売ってるよ!」 なんだか、幸先がいいぞ。

30年前に開業したコーヒー豆の専門店「ぱぱ・のえる 」。奥に5席ほどのカウンターがあり、気のいい店主・京極さんとのおしゃべりを楽しみに、地域の人が通ってくる。[交]南千住駅・日比谷線三ノ輪駅すぐ ※ランチタイム有

美味しいコーヒーをいただきながら、親切なマスターに見どころを教わり、三ノ輪橋駅へ。 1両だけの車両だが、次々と人が乗ってくる。今も観光客より地元の人の足であるようだ。 と、乗り込んだ車両にひとつだけハートのつり革が!「幸せになれる」と噂のつり革ではないか!ギュウッと握りしめるも、荒川遊園地前駅で戎に袖を引っ張られ降ろされる。 車両は去り、幸せが遠のく。 女心の分からぬ戎に「大人が遊園地なんて」と文句をいいつつ『あらかわ遊園』の門をくぐると、ヒツジやウサギと触れ合えるばかりかロボット・パンダもいるではないか。

1日乗車提示で 入場無料の 遊園地で童心に帰る

の、乗りたい。 「私はパンダ、戎さんはキリン」と指さすと、いつもは優柔不断な戎が「いやです!」と即答。 もういい、ひとりで乗る。 200円を入れると、パンダが「コンニチハ、コンニチハ」と2回あいさつしてぐいぐいと動き出した。大人なのに楽しい。

お腹がすいた我々は隣駅の荒川車庫前駅から1分、 線路沿いの一軒家イタリアン『オステリア・イル・オットブレ』へ。

車両を眼前で 眺められる 一軒家レストラン

「ランチセットA 生ハムとアボカドのベーグルプレート」 900円

テラスからは、行きかうカラフルな車両を飽きるまで眺められる。

「オステリア イル オットブレ」は3年前にオープンした一軒家のイタリアン。ランチはパスタやベーグルなどのメインにスープ、前菜、コーヒーなどがついて900円から1200円と良心的。[交]都電 荒川車庫前駅より徒歩1分、都電 荒川遊園地前駅より徒歩4分、JR東日本 東北本線 尾久駅より徒歩7分 ※ランチタイム有

続いて駅前にある「都電おもいで広場」へ。

都電マスコットキャラ「とあらん」が。

ここには昔の都電車両が展示されており、かつて品川〜上野間を走っていた「PCC カー」の運転席には都電マスコットキャラ「とあらん」が。 トレイン イン トレイン。君は運転が上手そうだ。

そろそろ日が傾いてきた。王子駅前駅から歩いて2分、夕暮れの音無親水公園の緑が気持ちいい。 「ここで缶ビールを……」とつぶやくと、 戎が「まだ夜じゃありません!」とピシャリ。

しかし公園のそばのおでん屋さん『平澤かまぼこ』には、立ち飲みを楽しむおじさんの姿が。 「入りましょう!」。

昼間から混んでいる。

生ビール 400円、はんぺん 100円、ごぼう巻 150円

戎、さっきと言うことが違うぞ。 ぎゅうぎゅうの店内で、ふつふつ煮えるおでんに生ビールを注文。 むむむ、はんぺんの素朴で上品なこと! それもそのはず、こちらのおでんは老舗かまぼこ屋が作る無添加のものなのだ。 名残惜しみつつ、大塚駅前駅を目指すも庚申塚駅のホームに居酒屋を発見。

「平澤かまぼこ王子駅前店」は17年前にオープンした立ち飲みのおでん屋さんで、昼間から混んでいる。[交] JR京浜東北線、東京メトロ南北線、都電荒川線王子駅、JR王子駅親水公園口より徒歩30秒 ※ランチタイム有

直結過ぎるぞ!うっかり降りてしまったじゃないかと憤慨しつつ、 『御代家』の扉を開けると、焼酎と日本酒の瓶が目に入る。

駅の ホームにぴったり横づけの居酒屋

「今日はここで終わりにしましょう」と戎。 うむ、もう一杯!

「つくね 」  200円、「ねぎま」 200円

「御代家」は焼酎の種類が豊富な店だが、厳選された日本酒も置いている。焼き鳥は肉汁があふれるほどジューシーで、水ナスの刺身は甘みがあり新鮮そのものと料理も絶品。[交]都電荒川線 庚申塚停留所から徒歩0分

染色産業が盛んだった 神田川沿いを歩く

翌日、大塚から取材を再開した我々は、色とりどりの美しい「千成もなか」を味わい、

「千成5色もなか(各)」 100円

大塚駅前駅から徒歩2分。店先には小さなテーブルとイスがあり、その場で食べることもできる。[交]大塚駅から徒歩2分 ※ランチタイム有

東池袋四丁目駅そばのカフェ『イルティースト』で軽くブランチ。

オシャレカフェの シラスサンドが 美味♪

カウンターが水色と茶色のタイルでデザインされており、カフェオレにはかわいいクマちゃんのラテアートが。 「いいえ、クマより店のお姉さんのほうがかわいいです」と頬杖をつく戎の横でシラスの梅サンドをガブリ。 甘酸っぱい恋の味がする。

「駿河湾直送 色白シラスと鶏の梅マヨあえサンドイッチ ハーフサイズ」 480円

「il tessuto」は池袋サンシャインシティのそばにあるオシャレなカフェ。インテリアの会社が経営するだけあってセンスがよく、壁にはサーフボードが飾られ、色とりどりの生地を貼ったオリジナルの椅子が並んでいる。[交]JR池袋駅西武東口より徒歩7分、東京メトロ有楽町線 東池袋駅 出口6から徒歩0分 ※ランチタイム有

食べてばかりの旅で終わるのかと思いきや、 戎に「少しは文化的な所に行きましょう」と面影橋駅で降りて大正3年に建てられた工房と併設の『東京染めものがたり博物館』に連れて行かれる。 「さあ、体験の準備ができたよ」と、職人さんが桜小紋の型を用意してくれ、刷毛で色をはじきたい部分に糊を塗っていく。 これがなかなか均一にならず悪戦苦闘。 1人前になるまでに10年かかるそうだ。

さあ、完全走破はもうすぐ。 早稲田駅でついにゴール!  「祝杯だ!」と飲み屋を探すと、まだ17時なのに、盛り上がっているおでん屋『志乃ぶ』を発見。

早稲田の学生やOBに愛されるおでん屋さん

「おでん 3品」 500円

「志乃ぶ 」は早稲田の学生やOBに愛される老舗の京風おでん屋さん。[交] 早稲田駅すぐ

よく煮込まれたおでんとビールが心と体に染みてくる。 都電荒川線食べ歩きの旅、梅雨の合間にぜひ行ってみていただきたい。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
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