3500円で大満足! 一宮市『楽山』のおまかせコース
名古屋郊外で昔からのれんを掲げる寿司店といえば、ネタもシャリも大きく、シャリの味付けがやや甘め……というイメージが強い。
市内中心部にある江戸前の寿司店と比べてはいけないが、どうしても田舎っぽい。
そんななか、一宮市にある『楽山』は、名古屋からも多くの客が訪れているという。
今年で創業して50年。
現在、店を切り盛りする二代目店主の佐藤守弘さんは、先代から学んだ寿司のほか、割烹料理店で8年間修業した経験をもつ。
「私が割烹で働き始めた30年ほど前から、スーパーの持ち帰り寿司や回転寿司ができはじめて、寿司一本でやっていくのがだんだんと難しくなってきたんです。
私が店を継いでから、寿司と割烹を二本柱にしました」と、佐藤さん。
佐藤さん自慢の逸品は、「海老真丈のあんかけ」(600円・税別)。
とろけるようなやわらかさに仕上げた真丈の中には、プリプリの海老がたっぷり。
この食感の違いが面白い。
しっかりとだしがきいた餡も旨い。
店のベストセラーというのも納得だ。
メインの寿司だが、先付けと椀物、握り寿司8カン、巻物、玉子焼き、デザートが付く「夜のおまかせ握り」(3500円・税別)がおすすめ。
写真は先付けの「青柳の酢味噌和え」。
さっぱりとした酢味噌と青柳はまさに春の味覚。
お酒もすすみそうなひと品だ。
続いて、椀物。
寿司屋では赤だしか吸い物が定番だが、ここでは前出の佐藤さんイチ推しのフワフワ海老真丈が入った「海老真丈のお椀」が付く。
だしで味わう海老真丈もなかなかのものだ。
そして、寿司。
その日のおすすめを握るため、内容は日替わり。
この日は、トロとキハダマグロ、帆立、サヨリ昆布〆、車海老、スミイカ、玉子焼き、ウニ、穴子、鉄火巻。
いちばん驚いたのは、サヨリの昆布〆。
上にのっているのは、自家製の柚子胡椒。
これがアクセントとなってメチャクチャ旨いのだ。
「ネタは、その時季のよいものを全国から仕入れています。
とくに今日のトロは沖縄産の天然マグロのトロですから、美味しいですよ。
それと、ウチは穴子が人気なんです。
長崎の対馬産ですが、身が厚くて煮るとフワフワのとろけるような食感になります」(佐藤さん)
最後はデザートの「ほうじ茶のアイスクリーム」。
「夜のおまかせ握り」には、5000円(税別)の設定もあり、こちらはネタのグレードが上がり、1~2カン多くなる。
また、先付けと椀物、お造り、焼き物など全7品の料理に寿司とデザートが付く「おまかせコース」(5000円~・税別)も好評だ。
シーンに合わせて利用したい。
楽山
[住所]愛知県一宮市佐千原字南切野10
[TEL]0586-73-8445
[営業時間]11時半~14時、17時~23時
[定休日]水曜(月に2回連休あり)
永谷正樹(ながや・まさき)
1969年生まれのアラフィフライター兼カメラマン。名古屋めしをこよなく愛し、『おとなの週末』をはじめとする全国誌に発信。名古屋めしの専門家としてテレビ出演や講演会もこなす。
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