明治38年から羽二重餅を販売
福井市内に店を構える「松岡軒」は明治30年創業の和菓子の老舗です。福井を代表する銘菓となった羽二重餅を明治38年から販売しています。羽二重とは、絹織物のこと。北陸は昔から絹織物が盛んな地域でした。羽二重餅は、羽二重のような「ひらひらとしたしなやかな風合い」と白さが特徴で、松岡軒の一番人気です。材料は、もち粉と砂糖、水飴だけ。保存料などの添加物は一切加えず、伝統の味を保ち続けています。
戦後に誕生した銘菓「羽二重どら焼」
羽二重どら焼は、戦後に誕生しました。松岡軒によると、羽二重餅に次ぐ人気で、「和菓子通からも長年愛されてきた隠れた銘品」とのことです。どら焼きの生地に羽二重餅とともに挟まれている粒あんは、こだわりの逸品。北海道産の小豆を使い、職人が丁寧に練り上げることで、豆の食感をほどよく残しているのだといいます。
1日で売り切れることも
松岡軒の和菓子はどれも保存料などは無添加。このため、羽二重どら焼は賞味期限が10日ほどですが、松岡軒のホームページから注文して“お取り寄せ”も可能です。
今回購入した店舗は、東京・南青山にある福井県のアンテナショップ「ふくい南青山291」です。税込みで1個216円。同店によると、福井から直接取り寄せているため常にあるとは限らない商品とのこと。店頭に並べると、1日で売り切れてしまうこともある人気商品です。
“ふっくら、もちもち”
さて、肝心のお味は――。袋からとりだすと、美しいきつね色の生地が食欲をそそります。生地はふっくらしていて、ほんのりとした甘さを感じます。こだわりの粒あんもちょうどいい甘さ。そこに、羽二重餅のなめらかでもちもちした食感が加わります。生地、粒あん、羽二重餅と、それぞれに甘さがありますが、その三者の味わいが口の中で調和し、絶妙な味加減となります。うん、うまい!!
直径は約10cm。松岡軒の方が「サイズが大きいので若い方にも人気です」と話していましたが、お餅が入っていることもあって確かに1個でも満足できます。食べ応えがあります。
新茶に合わせて リモートワークの合間に
甘い物を食べていると、やはり緑茶が欲しくなります。先日、静岡の知人が送ってくれた香り高い新茶を合わせてみます。新茶のさわやかな味わいで、羽二重どら焼の上品な甘さがより一層引き立ちました。
コロナ禍でリモートワークの機会が増えています。羽二重どら焼は、午後、仕事の手を留めて、一服したくなる北陸の銘菓です。
「ふくい南青山291」の店舗情報
福井県のアンテナショップの青山店。1階にショップ、2階に観光情報コーナーや企画展示コーナー。1階ショップには、食品や地酒に加え、越前焼、越前和紙など伝統工芸品も含め約4500種類の特産品が並んでいます。銀座店の「食の國 福井館」は食に特化した店舗です。
[住所] 東京都港区南青山4-41グラッセリア青山
[電話]03-5778-0291
[営業時間]11時~19時 ※営業時間は異なる場合があります
[休日]年末年始
[交通] 地下鉄千代田線・銀座線・半蔵門線表参道駅B3出口から徒歩5分
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