論争が起こる、故郷の味・スープカレー
カレー特集が好評の『おとなの週末』2021年6月号。今これを読んでくださっているみなさまもお手に取ってくれただろうか。
かねてよりカレー好きを明言するバンドメンバーから、カレー作りにハマっているWATARUさん(ギター&キーボード)と、コロナ前はカレー店巡りを楽しんでいたというSHUNさん(ベース)。
地元で論争が巻き起こるカレーやこれまでのツアーで食べたものなど、食いしん坊を自称するお二方に追加で話を伺った。(本文中、敬称略)
――SHUNさんはもう1軒、おすすめのお店があるんですよね。
SHUN「僕は札幌出身で東京に来てから、なかなか理想のスープカレーに出合えてなくて。
『Curry&Café SAMA』というスープカレーのお店が下北沢などにあるのですが、まだ北海道で数店舗しかないときから食べに行ってたんです。
元々は地元の先輩が札幌で出したお店なのですが、それがいまや東京だけでなく、福岡や香港まで進出しています」
WATARU「おぉ。スープカレーは海外まで広がってるんだ」
SHUN「そういうこともあって、たまに『SAMA』に食べに行きます。でも、“スープカレーはカレーにあらず論争”があるので、あくまでおすすめの番外編という感じですけど」
――あの、食べ方も含めて“スープカレーの正解”というのが、イマイチわからないんですが。
WATARU「あぁ、それ知りたい。僕もよくわからないです」
SHUN「あれはカレーだと思わないほうがいいと考えていて。論争があるくらいなので(笑)。
感覚としてはラーメンに近い。例えば札幌の味噌ラーメンと博多のとんこつラーメンは味も麺の太さも全然違いますよね。それと一緒で、お店によって特色がまったく変わるんです。
なので、スパイス系が好きな人はこのお店に行けばいいとか、トマトベースで玉ネギがたっぷり入った食べやすいスープカレーならここへとか、いろんな好みがあるなかで、自分の好きなタイプを見つけるのが早いというか。どの味が好きかが明確になるとお店を探しやすいんです」
――スパイスカレーもいろんな方向性があるので、それに近いものがありますね。
SHUN「そうですね。札幌ではいろんなスープカレー屋さんがあるので情報交換をしながら、自分の好きな味に出合っていってましたね」
――札幌の方たちにとって、スープカレーってどういう存在なんですか?
SHUN「ソウルフードです。札幌の人たちはみんな月に1〜2回くらい、中にはもっと食べてる人もいるんじゃないかな。僕も札幌にいるときはけっこう食べていました。今も札幌に帰ると、東京にはないお店を選んで絶対に食べてます」
――本当にラーメン感覚なんですね。
SHUN「そうですね。北海道は特に野菜が美味しいから、スープカレーと具材の野菜がすごくマッチして美味しく食べられるというか。
『SAMA』は味がしっかりしているので、スープカレーの入り口のひとつとして、初めて食べる方にもおすすめです。
スープカレーの中にはスパイスの効いたお湯? みたいな『うっすい!』ものもあったりするので」
WATARU「そんなんあるんや」
――それも、いろいろなスープカレー分布図の中のひとつということですか?
SHUN「そうです。元々スープカレーはスパイスがメインだったので。ちょっとクセが強くて、最初はジワジワくる感じだったんですけど、『SAMA』が登場したことによって食べやすくなって、間口が一気に広がった印象があります」
WATARU「前に札幌へツアーで行ったとき、『スープカレー トレジャー』でしたっけ? 連れて行ってくれましたよね」
SHUN「うん、行ったね。じゃあ今度は東京でいろんなスープカレーを食べに行こうか」
WATARU「そうですね。『SAMA』も行ってみます。ちなみにスープカレーも作りました」
SHUN「そうなの⁉(笑)」
WATARU「手羽元を使うとたくさんスープが取れるのでいいですよ。
野菜もちゃんと素揚げして。揚げたブロッコリーって、なんであんなに美味いんですかね!」
SHUN「旨いよね!」
――スープカレーへの愛が炸裂してますね。
国内外で食べた美味なるものとは
――今回ツアーで各地に行かれたと思いますが、何か美味しいものは召し上がりましたか?
SHUN「熊本で馬刺しと辛子蓮根を食べましたね」
WATARU「福岡でラーメンを、仙台では牛タンを食べました」
SHUN「でも今はお店が開いてなくて、あんまり食べられてないんだよね」
WATARU「そうなんです。ライブ前は食べに行く時間がなかなかなくて、ライブ後もちょうどお店が閉まっていて」
――そうですよね。仕方ないとはいえ、寂しいですね。
SHUN「それがツアーの楽しみのひとつでもあったので、ふたりしてめちゃくちゃ残念がってたよね」
WATARU「はい。それも含めてツアーだと思っているところも多少はあって、やっぱり各地の味をいただけるのは醍醐味ですもんね」
――今の御時世もあって難しいですが、海外ツアーも行っていましたね。印象に残っている食べ物はありましたか?
SHUN「タイには一時期けっこう行っていて、よく大衆食堂みたいなところでご飯を食べていたんです。中華みたいなスピード感で、びっくりするくらい早く出てくるんですが、何を食べても美味しいんです。
元々は僕、東南アジアっぽい料理が苦手だったんですけど、現地に行ったら美味しくて。そこからハマっちゃって、帰ってきてからも家の近くのタイ料理屋さんに行ったりするようになりました。それからタイ料理は美味しいイメージがありますね。
プーパッポンカリーとか美味しいよね」
WATARU「あぁ、あれは美味しいよね!」
――WATARUさんは海外で印象に残っている食べ物はありますか?
WATARU「台湾に行った時、夜市の雑多な雰囲気も良かったんですけど、食べたことのないものがたくさん並んでいることに驚きました。
僕はビッグサイズのスイカジュースを飲んだんですけど、ボーカルのHIROSHIが『臭豆腐』を買ってみんなで食べたり、串に刺さった謎の何かわからないものも食べました。みんな好奇心が強いので思い出深かったなと思いますね」
――そこで躊躇なく食べる姿勢は素晴らしいです。
WATARU「完全に未知でした」
SHUN「でもさすがにタガメとかはね」
WATARU「サソリとかはちょっとね……」
SHUN「頑張ろうと思ったけど(笑)」
WATARU「ちょっと怖かったですね」
SHUN「帯同したカメラマンさんがそういうのもガンガン挑戦するタイプで。『じゃあ、誰が食べる?』みたいなことになってくる人です」
WATARU「絶対に食べないとダメなノリになってくるからね(笑)」
SHUN「それは無理でした」
――メンバーのみなさんが仲良く、召し上がられている様が目に浮かびます。
こんな遊び心と挑戦心、そして人間や音への愛情に溢れた音楽を作るFIVE NEW OLD(カレー愛も 笑)。4thアルバム『MUSIC WARDROBE』は、最近の音楽はよくわからないという大人にこそ、ぜひ手に取っていただきたい名盤だ。
夏が恋しくなるアッパーチューン『Summertime』やSTYLE COUNCIL(スタイル・カウンシル)の名曲『Shout To The Top』へのオマージュが光る『Hallelujah』、モータウン的な香りが漂う『Light Of Hope』(ECCジュニアCMソング)などなど、新しさと懐かしさが絡み合いながら、バラエティとアイデアに富むスパイスが効いたアルバムに仕上がっている。カレーと一緒にぜひ!
2010年、兵庫県神戸市で結成。R&B/Black Music/Gospel/AOR/Alternative Rockなどの要素を昇華させたワールドスタンダードなポップサウンドを展開。2017年「BY YOUR SIDE EP」でメジャーデビューし、2021年4月には4枚目のフルアルバム『MUSIC WARDROBE』をリリース。『サンカット(R) プロディフェンス』(コーセーコスメポート)のCMソング「Summertime」やボーカル&ギターのHIROSHIさんが役者に初挑戦したドラマ『3Bの恋人』の主題歌「Hallelujah」など、多数の楽曲タイアップを担当。
HIROSHIさんとWATARUさんによるアコースティックツアーが、6月18日(金)に兵庫・music zoo KOBE 太陽と虎、6月19日(土)は兵庫・Kiss FM トアロードアコースティックフェスティバル vol.3 (EVENT)、6月25日(金)には東京・LIVE HOUSE FEVER※。
※チケット抽選先行あり
7月18日(日)に札幌・PENNY LANE24で「MUSIC WARDROBE tour」、7月23日(金)には大阪・心斎橋BIGCATで「10th Anniversary Live”5 will give you 10”」を開催予定(いずれも振替公演)。
https://fivenewold.com/
出汁カレー、無水チキンなど、定番のカレーは4種類。土曜限定の海鮮カレーや夜のコース料理など、クリエイティビティに満ちたカレーと料理で世のカレー好きを唸らせている。
[住所]東京都中央区八丁堀2-19-7
[電話]03-6262-8883
[営業時間]11時半〜15時※売り切れ次第終了、18時〜20時
[休み]日
[予約]夜のみ可
[交通]地下鉄日比谷線ほか八丁堀駅A5出口から徒歩5分
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