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“かけ“に込めた熱い想い 香り高いツユに浮かぶ素朴な風合いの蕎麦 『蕎麦 松風』@根津

ツユをひと口飲めば、まずは本枯節の華やかな香りがふわっと来て、
それから舌に染み入るような昆布の旨みがじんわり、じんわり続いていく。

かけ(820円)
本枯節と利尻昆布の他に宗田節や干し椎茸も加えた厚みのあるツユだ

このダシを取るため、厨房にはカツオ節専用の削り器まで導入し、さらに昆布は10年熟成の利尻産。
極めつきにシンプルなこの1杯にかける想いは果てしない。

いっぽう蕎麦は店で挽いた十割で、冴え冴えとした切り口が目にも鮮やか

丸抜きの実を仕入れ、店で石臼挽きして打つ蕎麦は、のど越しやコシと共に穀物の豊かな甘みまでもしっかりと感じられる

冷やでは爽快なコシが、温かなツユに浮かべれば、もっちり素朴な風合いとなる。
そうして、だんだんツユと蕎麦が馴染み合って、ひと啜りごとに違った表情を見せてくれる。

季節野菜と海老の天せいろ(1700円)
この日は舞茸、蕪、赤万願寺唐辛子など。冷たい蕎麦は歯切れの良いコシが何とも小粋
左から、
生姜の奈良漬(480円)、大粒なめこおろし(550円)
なめこのシャキッとした食感を堪能したい。生姜の奈良漬けは酒が進んで止まらぬ旨さ
栃尾の油揚げ(560円)
揚げて表面はサクサクとした食感に。九条ネギ、花がつおなどを薬味にのせ、蕎麦ツユに使う、かえしで食す
『蕎麦 松風』
[住所]東京都文京区根津2-37-12
[電話]03-6882-0842
[営業時間]11時半~14時LO、17時半~21時LO
[休日]日・月
[交通]地下鉄千代田線根津駅1番出口から徒歩5分

海のエキスあふれるレアに仕上げた牡蠣と凛とした蕎麦にときめく 『手打ち蕎麦切 松翁』@神保町

冬の蕎麦のイチオシは、旬を迎え寒さと共に旨みが増していく牡蠣だ。

牡蠣そば(2150円)
大ぶりの牡蠣の下に海苔が忍ばせてあるので、食べ進むと海苔が溶け出し、より磯の香りが色濃くなる仕掛け

『松翁』では、注文が入ってから大きな牡蠣の殻をむき、蕎麦に乗せる直前にサッとかけツユにくぐらせる。
レアな牡蠣にかぶりつけば海の香りが口一杯にあふれ出し、この牡蠣はまだ生きている、そう実感するほど。
だが生牡蠣にはない温もりが深い滋味をも引き出してくれる。

名店として知られる同店はせいろ、かけとも同じ蕎麦でシャキッと歯切れのいい生粉打ち。
ふわふわのつみれ蕎麦や名物のけんちん蕎麦などタネものの名作も豊富とあって、冬にこそ足を運びたくなる。

鰯のつみれそば(1650円)
和食の料理人からヒントをもらったという蕎麦。いわしのつみれはふわふわで、そばツユにいわしの旨みが加わってさらにツユが美味しくなる
奥から、
穴子の煮凍り(850円)、鮪 トロブツ(860円)
余分なものが一切入っていない穴子の煮凝りは、口の中で淡雪のように溶けて消える。上品な脂がのったトロブツは、思わず日本酒が欲しくなるキラーつまみ
瑞々しい墨字の品書きも名店の証。旬の食材を使った蕎麦が並び、どれを食べようか、目移りしてしまう
『手打ち蕎麦切 松翁』
[住所]東京都千代田区猿楽町2-1-7
[電話]03-3291-3529
[営業時間]11時半~15時半LO、17時~20時LO、土11時半~16時LO
[休日]日・祝
[交通]地下鉄半蔵門線ほか神保町駅A5出口から徒歩6分
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穀物香があふれる蕎麦と2種の油揚げの味も楽しい 来福必至の「...
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おとなの週末Web編集部
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