【岩見】青島で味わう、まさかの「うどん系鯖寿司」!
宮崎市郊外にも、鯖寿司が絶品! というか「鯖寿司に気合いが入り過ぎている」うどんの名店がある。
宮崎を代表する観光地・青島に位置する『釜揚げうどん 岩見』。
JR日南本線青島駅から徒歩1分。少し歩けば、南国宮崎を彷彿とさせる青島海水浴場や、縁結びにご利益のある青島神社はすぐの場所にある。
昭和43年創業、こちらも巨人軍の歴代監督や、選手たちがキャンプ期間中足しげく通う名店だ。
そしてうどんに匹敵する大人気メニューが、鯖寿司。なにせ「鯖寿司目当てで訪れるお客さんも、多くいらっしゃいます」と語るのは、店主の堀芳郎さん。
堀さんのうどんへのこだわりもさることながら、鯖寿司への気合いの入り方もひとかたならぬものがある。なにせ、鯖寿司は「注文を受けてから作る」! 作り置きいっさいナシだ。うどん店なのに(涙)。
岩見は、もともとは民宿兼食堂だった。お店で大好評だったのが、当時の店主だった堀さんの祖母が作っていた「鯖寿司」。昭和47年に、堀さんの父がうどんと鯖寿司の店として『岩見』を開店。堀さんが祖母の味を受け継いで作り続けている。
「祖母はとにかく鯖寿司が大好きで(笑)。京都の寿司店の技などを取り入れ、自分なりに試行錯誤して完成させたようです」と堀さんが笑う。
おもに長崎の脂のりバツグンのサバを使用。秘伝の酢ダレで「限りなく生っぽく締めます」と堀さん。酢飯は甘酸っぱく、やわらかめに仕上げるのが岩見流。こちらもワサビ入りだ。
押し型にサバと酢飯入れて、ほどよい加減で押して完成。
ピカっとした鯖寿司。どうみても「サイドメニュー感」は、ありません……。
はっ。うどんの説明をしてなかった!!
一番人気の「釜揚げうどん」は、毎朝堀さんがツユへのからみに気を配りながら打つ、コシがあって細目の自家製麺。釜で15分ほど柔らかめに茹でる。イリコ、2種類のカツオ節、高千穂産の干ししいたけでダシをとり、醤油、酒、みりんで味付けしたツユにつけていただく。
麺は口当たりがふわっと柔らかいけれど、つるつるとすべりがよく、のど越しがいい。カツオ節やしいたけの旨みが利いたコクのある甘辛いダシに絶妙にからんで、軽快にいただける。
で、鯖寿司ね。ひと口食べるとサバは限りなくレア。ジュワーッとみずみずしい脂が口の中いっぱいに。けれど後味はスッキリ。そこに、やさしい甘酢っぱさのやわらか酢飯がほわーっと寄り添う。この酢飯の柔らかさ、ぶっちゃけ、一般的な鯖寿司からはありえない。でも、コレがとっても効果的!
とろけるサバに、箸を入れるとほろっとくずれるくらいのシャリ!
ホッとする。癒される―。
ん??? これ「うどんっぽくない?」。このやさしさ加減、なんだかうどんと似てる!!!
ひゃー! まさかの「うどん系鯖寿司」!
慌てて、うどんとともにいただくとあらあら味わいの路線が同じ! うどんの延長線上に「鯖寿司」がたたずむ。違和感ゼロ! やわらか酢飯がうどんとの、見事な接着剤に!!!
カリカリの揚げ玉でコクが出たツユにうどん、そして鯖寿司。たまりませんよ!
ちょっと衝撃。うどんの敷いたレールの上に鯖寿司がいるって!!!
鯖寿司とうどんのセットが織りなす、唯一無二の「癒し路線」。ひゃー。
じつは「乗り鉄」でもあるジェンヌ的にはぜひとも、1時間に1本の「日南線」で宮崎駅から青島駅へ向かって味わっていただきたい。のんびりしすぎなローカル線の延長線上に、魅惑のうどんと鯖寿司が待ってますから!
■『釜揚げうどん 岩見』
[住所]宮崎県宮崎市青島2-9-5
[電話番号]0985-65-1218
[営業時間]11時~17時(16時半LO)
[休日]不定休
[交通]JR九州日南線青島駅から徒歩1分
※住吉店もあり
日南線は宮崎県宮崎市・南宮崎駅~鹿児島県志布志市・志布志駅を結ぶ。おおむねキラキラ光る南国の海沿いを走るローカル線は、ジェンヌさんのお気に入り。
最後に、まとめ。
なぜ宮崎のうどん屋に鯖寿司があるのかは突き止められなかったけれど、わかったことがある。
宮崎のうどん店の鯖寿司は、うどんとともに味わうととんでもない「ミラクル」が起きる!!
宮崎でしか味わえない「うどんと鯖寿司のマリアージュ」、ぜひ試してみて!!
取材・撮影/池田陽子