「大判焼き」か「今川焼き」か、はたまた「回転焼き」か。その名称をめぐって軽い論争が起きている。きっかけは、ラジオ英語講座の歴史とともに生きた親子3代の100年間を描く、NHK連速テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(総合・月〜土午前8時ほか)。1月26日の第60回放送で登場した、2人目のヒロイン・るい(深津絵里さん)とトランペッターの大月錠一郎(オダギリジョーさん)が結婚し、京都で回転焼き屋を始めるシーンがあったからだ。
「大判焼き」「今川焼き」「回転焼き」……あなたの地方の呼び名は?
東京では大判焼きや今川焼き。関西では回転焼き、御座候など、その名称は各地でさまざま。で、「私の街ではこう呼んでいる」という論争になっているというわけです。
が、そのスタイルはほぼ同じで、小麦を溶いた生地の中にあんこやカスタードなどが入って丸く焼き上げたものになります。特に焼き立ては生地の香ばしさと、中の甘味との相性が抜群で、お茶や牛乳を片手に食べると、あぁ至福のひととき……(牛乳かお茶かでも論争になりそうですが)。
東京で一番!と思ったお店は今はなく……
ところでこの大判焼き、特集にこそしていませんが、小誌編集・武内がいろいろ食べ歩きを行っておりまして。これまで東京で一番美味しい!と思ったのは、かつて1990年代まで広尾にあった『長谷川』(だったはず)。看板に氷店とありながらも大判焼きを販売していたのですが、残念なことに今は閉店。同店のきちんと楕円の形をしたまさに大判焼きは、薄くパリッフワッと焼かれた生地の中に塩加減がほどよいあんこがみっちりで、うっとりするおいしさ。1個が大きめなのですが、いつも3個買って、2個を熱々のまま即食べ。1個を家に帰ってからなんてやっておりました。
個人的ナンバーワンは広島・呉の『びっくり堂』
ちなみに、それまで「ぶちうまいのぉ」(広島の方言で、とってもおいしい)と愛してやまなかったのは、広島県呉市にある『びっくり堂』の「びっくり饅頭」。粒あんも白あんも美味しいのですが、なかでもカスタードは大判焼き用に開発したのではと思われるほど、サクッと香ばしくてほの甘い生地とマッチ。カスタードではいまだに僕の中のナンバーワンです。