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お釈迦様が誕生したとされる日は国によって違う

花まつりとは?
「花まつり」の名称は仏教の「灌仏会(かんぶつえ)」の俗称で、明治時代に浄土宗で採用されて以来、宗派を問わず用いられています。灌仏会は、降誕会(ごうたんえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、浴仏会(よくぶつえ)、竜華会(りゅうげえ)、花会式(はなえしき)ともいわれます。(参考[4])

灌仏会はお釈迦様の誕生を祝う仏事で、お釈迦様の亡くなられた日に行われる涅槃会(ねはんえ、2月15日)、さとりを開かれた記念に行われる成道会(じょうどうえ、12月8日)と並ぶ釈尊三大法要の一つです。(参考[5])

お釈迦様が誕生したとされる日は国によって違いますが、中国や日本などの大乗(だいじょう)仏教圏では4月8日とされています。タイなどの上座部(じょうざぶ)仏教圏では、『仏陀の誕生の日』、『悟りを開いた日』、『入滅の日』はすべてインド暦第二月(ウェーサク)の第一満月の夜(陰暦の5月)だったとされ、毎年5月の満月の日にウェーサク祭として祝います。ウェーサクの日は、1999年12月に国連の記念日(国際デー)として認められています。(参考[6])

日本書紀によれば、推古14年(西暦606年)4月8日に元興寺で行われた斎会(さいえ、衆僧を招いて食事を供する法会)の記述があり、これが灌仏会の起源とする説があります。(参考[7])

大乗仏教圏と上座部仏教圏では、お釈迦様が誕生したとされる日が違う

花まつりにどうして甘茶?
日本では草花で飾った花御堂(はなみどう)の中に灌仏桶を置いて甘茶を張り、桶の中央に安置した誕生仏にひしゃくで甘茶をかけます。この儀式は、お釈迦様が誕生した時、竜が天からやってきて香湯をそそいだという伝説にもとづくそうです。

もともとは「五色水」「香水」と呼ばれるものが使用されていましたが、江戸時代に民間に灌仏会が広まるとともに、香水の代わりに甘茶が用いられるようになったようです。(参考[8]、pp190-192)

花まつりのためにお寺ではアマチャの葉を大きな鍋で大量に煮て甘茶を用意します。甘茶は前述のように誕生仏にそそぐために用いられるほか、参詣者にふるまわれます。甘茶は飲むと無病息災の効験があり、目につけると目が良くなるなどの言い伝えがあります。また、家の周囲にまいたり作物にかけたりして害虫よけをはかるのにも使われたといいます。さらに、持ち帰った甘茶で墨を擦り習字をすると上達するなどのおまじない的な風習もあったそうです。(参考[8]、pp195-199)

1300年以上も前から連綿と行われて来た灌仏会。今でも毎年多くの寺院でとり行われています。4月8日のほか、お寺によっては5月8日に行われることもあるようです。一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

(参考)
[4]「岩波仏教辞典」第二版(岩波書店)
[5]灌仏会(花まつり)(浄土宗【公式WEBサイト】)
https://jodo.or.jp/everyday/event/kanbutsue/
[6]「国連ウェーサクの日」(国連ウェーサクの日・日本委員会公式HP)
http://vesak-japan.com/overview.html#whats
[7]「四月八日のお花まつり」(京都芸術大学通信教育部)
https://www.kyoto-art.ac.jp/t-blog/?p=98311
[8]伊藤新之輔「卯月八日の甘茶」(東アジア文化研究第3号、國學院大學大学院研究科)
https://researchmap.jp/shin_ito/published_papers/33728238

出題:三井能力開発研究所 代表取締役 圓岡太治

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