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江戸造り醤油がコンセプトの「玄蕃蔵」

左から玄蕃蔵(密封ボトルタイプ、瓶タイプ)、玄蕃蔵生

ヒゲタ醤油にはもう一つ、幻の醤油「玄蕃蔵」があります。

常陸さんによると、玄蕃蔵の名はヒゲタ醤油の創業者である三代目田中玄蕃の蔵でつくっていたことに由来します。創業当時(江戸時代初期)の歳時をふまえて作り上げた「江戸造り醤油」をコンセプトにしています。

江戸時代の歳時とはどのようなものでしょう?

「仕込式から蔵出し式までを江戸の五節句(※)に合わせてとり行います。特に蔵出し式の日は、五節句の中でもなじみのうすい『重陽の節句』(秋の収穫を祝い、長寿を祈る菊の節句)とし、江戸の五節句を今、再現させようという社長の願いをこめたものです」(常陸さん)と説明します。

(※) 五句節…人日(じんじつ)・1月7日、上巳(じょうし)・3月3日、端午(たんご)・5月5日、七夕(しちせき)・7月7日、重陽(ちょうよう)・9月9日の五つ。ヒゲタ醤油では人日の節句に発酵を促す櫂入れ、上巳の節句に諸味の発酵状況の確認、端午の節句に高家神社へ諸味の奉納、七夕の節句に秘伝の米麹添え、重陽の節句に高倍神社(前述の高家神社の分祀社)に奉納後、蔵出しをする。

高倍同様、素材となる大豆、小麦、塩はすべて国産素材のみを使用。「富山県産の大豆『エンレイ』、北海道産の小麦『春よ恋』、香川県産『瀬讃の塩』を使用しています。あとはヒゲタ秘伝の米麹を入れることで、よりマイルドな奥深い味わいになります」(常陸さん)

通常タイプと生醤油の二種類がある玄蕃蔵

玄蕃蔵には通常の醤油、玄蕃蔵生(税込み2100円、450ml密封ボトル入り)の2種類があります。

まず通常の醤油と生醤油の違いについては、「製造工程で微生物を取り除くために火入の有無ということです。火入れした醤油は香ばしさ(火香)がついて、しっかりした味になりますが、生醤油はさらっとした味わいです。生醤油は火を入れる替わりに、ろ過によって微生物を取り除いています」(常陸さん)

火入れをする伝統製法にこだわって仕上げた玄蕃蔵と最新の技術で火入れをしない「生」で仕上げた玄蕃蔵生。どちらも美味しそうですが、それぞれ玄蕃藏と玄蕃蔵生はどのような料理に合うのでしょうか。

「しっかりした濃厚な味わいの玄蕃蔵はお刺身ですとマグロの赤身が合います。一方、玄蕃蔵生は色味もあざやかでさらりとしています。白身のお刺身や、だしの香りを生かしたお鍋がおすすめです」 (常陸さん)

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2013年に販売を見合わせたことも...
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おとなの週末Web編集部 山本
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