夢をすべて実現したマドンナ
“今でもスーパースターだけど、この地位を守れて、今よりもっとお金が入って来たら何をしたいか?”と訊ねてみた。“ビバリーヒルズに家を買う(これは後に実現した)とか個人的な欲求は少しあるけど、セクシャル・ハラスメントやドメスティック・ヴァイオレンスなどで困っている人、貧しく苦しんでいる子供たちなどを助けてあげたい。実際に寄付したり、私の名でお金を集めてチャリティ・ファンドを設立して社会に貢献したいわ。私はマテリアル~お金を追わずにスピリットを追って成功したけど、今日食べるためのお金が無い人を救ってあげたいと思うわ。それから自分のレコード・レーベルも持ちたいし、そこから新人を送り出したいわね”
マドンナはこの夢をすべて実現した。多くのチャリティ資金を寄付し、後に自身のレーベル、マーヴェリックを設立した。マーヴェリックからはアラニス・モリセットなど多くのミュージシャンがスーパースターへと巣立って行ったのだ。
岩田由記夫
1950年、東京生まれ。音楽評論家、オーディオライター、プロデューサー。70年代半ばから講談社の雑誌などで活躍。長く、オーディオ・音楽誌を中心に執筆活動を続け、取材した国内外のアーティストは2000人以上。マドンナ、スティング、キース・リチャーズ、リンゴ・スター、ロバート・プラント、大滝詠一、忌野清志郎、桑田佳祐、山下達郎、竹内まりや、細野晴臣……と、音楽史に名を刻む多くのレジェンドたちと会ってきた。FMラジオの構成や選曲も手掛け、パーソナリティーも担当。プロデューサーとして携わったレコードやCDも数多い。著書に『ぼくが出会った素晴らしきミュージシャンたち』など。 電子書籍『ROCK絶対名曲秘話』を刊行中。東京・大岡山のライブハウス「Goodstock Tokyo(グッドストックトーキョー)」で、貴重なアナログ・レコードをLINN(リン)の約400万円のプレーヤーなどハイエンドのオーディオシステムで聴く『レコードの達人』を偶数月に開催中。