クッパパ流手打ちうどんレシピのコツ 実はパスタマシンが超便利!?
生地を寝かし終えたら、平らな台に置いてくっつかない程度に打ち粉を振って、麺棒で台に押さえつけ前後に転がしながら、均等な厚さになるよう伸ばしていきます。この時、円ではなく正方形を目指すと、長さが均一になってゆであがりにムラが出ません。
伸ばし終えて形を整えたら、生地を屛風たたみにして、重なり合う部分に打ち粉をふります。いよいよ切ってうどんにしていきますが、太さも均一になるように心得て、片手は軽く添える程度に。
ちなみに、レシピは「パスタマシンがあると簡単」と記されています。パスタマシンとは、こうした生地を伸ばしたり切ったりする作業を迅速かつ均一に行う製麺機です。
さて、自分でうどんが打てた! と喜ぶのはまだ早い!? 打ちたてのうどんを美味しく味わうには、ゆで方が左右します。大きめの鍋に沸騰したお湯の中で、うどんが軽く泳ぐ感じがベスト。ゆで加減は自分の舌でその都度、確かめてみて。
ゆであがったら素早く氷水で何度も洗って〆て、完全にぬめりを取ってできあがりです。まずは即、薬味だけで味わいましょう。ほのかな小麦の風味を味わう感覚ですね。前回(6月26日付「天ぷら」)で揚げた好みの天ぷらと一緒に食べてみるのもおススメ。
「おっきりこみ」「ひもかわ」「耳」…北関東はご当地うどんの宝庫
冷やしても温めても美味しい国民食「うどん」ですが、調べてみると、日本各地には、さまざまなご当地うどんが存在しています。なかでも良質な小麦がとれ、水質にも恵まれた北関東は、“郷土食”豊かなうどんの宝庫です。
香川県に次ぐうどん生産量2位の埼玉県ですが、秩父地方には太く幅広の生うどんをゆでずにそのまま野菜と一緒に煮込んだ「おっきりこみ」が名物です。「おっきりこみ」とは、具を刻んで入れるという意味で、味噌やしょう油仕立てていただきます。群馬県の一部地域でも、食べられています。
何と10cm! もの幅広うどんに圧倒されるのが、群馬県桐生市の郷土料理「ひもかわうどん」。つゆで煮込むほか、つけ麺としても“幅広く”いただけます。ラーメンでも知られる栃木県佐野市では、ホンモノに見立てた“耳”を、野菜や蒲鉾など具沢山でいただく「耳うどん」が古くから親しまれています。「耳を食べて厄を落とす」と伝えられ、正月料理としてもふるまわれます。
お気に入りのご当地うどんに出会えたら、自分で打ったうどんで再現してみると、料理のレパートリーも夏の楽しみも増えそうですね。
文/中島幸恵、漫画/うえやまとち
◆『クッキングパパ』とは?
福岡市博多を舞台に、商社の営業課に所属するサラリーマン、荒岩一味が家族や同僚、友人らに得意な料理の腕前を披露、食を通じて周囲の人々に笑顔とパワーを与える物語。作中ある料理のレシピは、定番料理からオリジナルメニュー、地元九州の郷土料理まで多岐にわたり、詳細なイラストとポイントを押さえた簡潔な説明はいま、すぐ作りたくなると好評を博している。
週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で1985年から連載している人気シリーズで、2022年4月現在、単行本は161巻。
※「おとなの週末Web」の記事では本稿紹介の漫画、クッキングパパ 「COOK.90 日本の夏だっ!! うどん」を一話丸ごと読むことができます。