優勝者決定! 激戦の先に見えたものとは
厳正なる審査が終わり、運命の結果発表。「M-1グランプリ」の得点発表のようにひとりずつ点が開いていく。その結果……。
山下:93 95 93 91 95=467
大原:99 96 98 98 98=489
優勝は北海道の大原シェフ。大勢が決した瞬間に目を覆う場面もあったが、優勝が決まった瞬間はガッツポーズを見せた。
開口一番「わかんないです」と言ったあと、「うれしいです。全国のシェフと戦えたことが感慨深いです」と笑みを浮かべた。
応援団で駆けつけたご両親は、「信じられない。よくやってくれた」とお父さんが話せば、「すごくうれしい。一生懸命がんばったもんね」とお母さんがやさしく語りかけた。
大原シェフは、お母さんへ「迷惑をかけていたので、やっと恩返しできた。自分の中でひとつピリオドが打てたかな」と語った。
神田さんが決勝戦の総評で「山下くんは、2度もここの舞台にやってきた。今回は大原くんの努力と技術と冷静さが勝ったんだと思います。山下くんは将来性がある人。また挑戦してほしい」と惜しくも2大会連続準優勝となった山下シェフを気遣った。
「461人が応募して、460人がただ単に負けたのではなく、経験を積んで持って帰ったと思う。いい戦いだった」とまとめた。
結果発表が終わって表彰式に移る前、大原シェフと山下シェフはどちらからでもなくハグをしてお互い健闘をたたえ合った。
「やられました」と話した山下シェフに対し、大原シェフは「もっとできると思ってたから優勝の実感がまだない。大会を背負ってふたりで戦ってきた中では、まだ足りないなと思いました」
最後は、ふたりが会場に来ていたシェフたちとも談笑していた姿が見られた。
家族への感謝や、一緒に戦ったシェフたちへの思い、それらが垣間見えてなんとも清々しい大会となった「CHEF-1グランプリ2022」。私自身、その審査に関われたことを誇りに思う。来年もこの大会が開催されることを切に願う。そのときはもっと多くのシェフがこの戦いに名乗りを挙げてほしい。
優勝した大原シェフはこんなことを話していた。
「来年もチャレンジできるんですか?」
打倒、大原! で集え、若きシェフたちよ!
全国大会の模様は「TVer」で配信中。見逃した方はぜひそちらでチェックを。
取材/編集部えびす 写真(C)CHEF-1グランプリ2022