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これまでにない料理に高評価が続出! 

ついに実食のとき。先行は山下シェフ。きゅうり2種類を使った前菜は、美しい盛り付けが目を引く一品。パッションフルーツが入ったフェンネルソースは、ナンプラーも加わってアジアンテイストに仕上げている。

手間ひまかけてきゅうりを調理する山下シェフ
手間ひまかけてきゅうりを調理する山下シェフ

審査員の田村さんは「この大舞台できゅうりを使った心意気に敬意を評します。生が一番美味しいかもしれない素材に、手をかけて昇華させた。ソースの独創性もいい。マイナスポイントはない」とコメント。

堀江さんは「見た目から爽やか。手間ひまかけたきゅうりとパッションフルーツの相性の良さを知れました」と唸った。

続いて、メイン料理。最後の仕上げは、提供前に行われるため、ここでの表現も重要だ。8.2kgある大きなクエを網に乗せ、皮目を焼いていく。バチバチと音を立てて、鼻孔をくすぐる香りの良さに一同が感嘆の声を挙げる。

そして、クエをカットした瞬間の断面は、今田耕司さんが思わず「うわ、きれい!」と身を乗り出すほどの美しさ。これにかけるのは、ご飯のソース。クエ鍋の最後に食べる雑炊をイメージしたというから驚きだ。青ゆずを絞って食べる刺身とともに、楽しむ贅沢な料理だ。

審査員の神田さんは「短い時間で切らずに塊で火入れし完璧の仕上がり」と太鼓判。関谷さんは「塊で焼いたからこその美味しさ。このクエでないとできなかったですよね。柚子胡椒のぴりっとした味と燻したナスを使ったソースがクエのしっとりした身質にあっていたと思います」と話した。

審査員からのコメントを聞いたあと、山下シェフのぐったりした表情が激闘を物語っていた。

実食が終わり、ホッとつく山下シェフ

後攻の大原シェフの前菜は、トキシラズのパテアンクルート仕立て。通常はお肉で作られるところを、トキシラズの背の部分を使って作られた意欲作だ。

パイ生地には「I♥H(アイラブ北海道)」の文字。大皿に盛ったときは五稜郭をイメージしたということで北海道への思いが込められている。

「素晴らしい料理でしたね。1時間の中で緻密に計算されてる。何度も何度も試作されたのが伝わってきました。アンクルートの形で水分を閉じ込め、繊細なトキシラズのテクスチャが活かされている」と神田さんは絶賛。

紅一点の審査員・瀬川さんは「大皿料理のテーマならではの大胆さを感じました。大原さんの料理は美しく優等生のようなイメージだったのが、I♥Hでかわいく表現されていてワクワクしました」と、予選から見てきたからこそのコメント。

さらに味についても「トキシラズ、パイ生地の香ばしさ、ソースの旨味、完成された味わい。甘海老とホタテもメロンを使われていて甘味がきれいに引き出されていた」と称えた。

メインディッシュは蝦夷鹿を使った一品で挑む
メインディッシュは蝦夷鹿を使った一品で挑む

メインディッシュは、蝦夷鹿を使った一品。森で得た白樺をしっかり消毒した上で燻し、香りをまとわせる。焼いた鹿の断面の鮮やかなロゼを見れば、完璧な火入れ具合なのがよくわかる。

お皿の上で、北海道の生き物をいただくことをイメージして表現。骨髄液でとったフォンや、カシスで炊いたゴボウが添えられた。

大原シェフのメッセージが伝わったのか、トリンドルさんは「元気なときの鹿と聞き、感謝の気持ちを持ちながらいただきました。口に入れると、涙が出そうになりました」とコメント。

確かな技術と新しい視点が盛り込まれていました。白樺の香りをまとわせるストーリー性に、焦がしバターのプレゼンテーション。勉強になります。自分はこれを1時間で作れない。文句のつけようがありません」と神田さんは前菜に続いて高評価。

肉の繊維がなめらか。個体を選ぶ目利きもそうですし、ハンターもストレスをかけずに撃っているのがよくわかる」(関谷)、「3歳メスの特長である柔らかさとしっかりした味を捉えていて、そのバランス感覚が実にいい。完璧に近いくらい美味しい」(堀江)と、蝦夷鹿自体に対するコメントも目立った。

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編集部えびす
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