ベルギーの数学者が提唱
正しくないのは(2)で、「死亡率がもっとも低い体重」が誤りです。
肥満は、糖尿病・脂質異常症・高血圧症・心血管疾患などの生活習慣病をはじめとして、数多くの疾病のもととなる危険因子です。日本肥満学会では、これらの疾病がもっとも少ない体重(BMI=22)を標準体重としています。
標準体重は、目的や用途によって異なります。生命保険会社の中には、もっとも死亡率の低い体重を独自の標準体重として公表しているところもあります。
(1)は正しいです。科学的に肥満を判断するには、本来体脂肪量の測定が必要ですが、体脂肪量を正確に測定するのはコストなど複数の原因から困難です。そのため日常の臨床では肥満の判定基準としてBMIが用いられています。また実際にBMIがさまざまな疾患のリスク判定に有用であることが多くの研究から明らかとなっています。
(3)も正しいです。BMIの歴史は古く、ベルギー人の数学者・統計学者であるアドルフ・ケトレーによって、1835年に提唱されました。日本ではまだ江戸時代、福沢諭吉が生まれた頃です。その後さまざまな体格指数が提唱されていますが、BMIが200年近く経った現在でも重要な指標として用いられているのは驚きに値します。
(参考)
[1] BMI|e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-002.html
[2] 肥満と肥満症の診断基準(小川渉・宮崎滋、「総合検診」2015年42巻2号)